春のマイル王決定戦、注目はあの馬/安田記念展望

2018年05月29日 06:00

現状の充実ぶりが感じられるキャンベルジュニア(2017年幕張S優勝時、撮影:下野雄規)

 マイル戦は他の路線からの参入が容易なカテゴリーである。とくに、安田記念は近い時期に適当な古馬の大レースが少ないこともあって、よりその傾向が顕著だ。過去10年の勝ち馬を見ても、ダービー馬ウオッカ、短距離王者ロードカナロア、秋の天皇賞馬ジャスタウェイ、皐月賞馬ロゴタイプと、すでにマイル以外のカテゴリーでタイトルを持っていた馬の名前が並んでいる。

 しかし一方では、ショウワモダンストロングリターンモーリスサトノアラジンと、マイル路線で地歩を固めたタイプの王者も少なくない。今年の安田記念もまた「別路線組対マイル路線プロパー」の対決という図式になりそうだ。

1.スピードレースで流れに乗れるか

 近6年中4回は勝ちタイムが1分32秒0以下(例外は不良馬場の2014年とスローペースの2016年)。先日のダービーもそうだったが、高速馬場で前が容易には止まらない以上、勝ち負けするためにはレースの流れに乗れるスピードが必須である。過去10年の当レースで、前走で2000m以上の距離に使われていた馬は[0-2-1-12]と勝ち切れない。

2.馬格が必要

 過去10年の勝ち馬のうち、最低馬体重は2008年のウオッカの486kgで、他はすべて490kgオーバー。昨年上位人気に推されながら連対を外したイスラボニータエアスピネルレッドファルクスステファノスは、いずれも490kg以上という条件をクリアーできていなかった。

3.ベテランが優位に

 キャリアを磨いてきたベテランの経験値を軽く見るべきではない。過去10年で4歳馬が2勝なのに対して、5歳馬が3勝、6歳馬が4勝と、6歳までは年齢が上がるのにつれて勝利数が増えている。


 スピード充分な大型馬ということで、キャンベルジュニアに注目したい。もともと大きな馬だったが、6歳になって馬体重は540kg台にまで成長。馬体の完成に伴って走りの精度が高まって、大器がようやく本物になってきた。前々走のダービー卿チャレンジT2着は、前崩れの展開をただ一頭踏ん張ってのものだし、前走の京王杯スプリングCはレコード決着をタイム差なしの2着。全勝ち星を1600m以上で挙げている馬で、距離不足の1400mでも崩れなかった点に、現状の充実ぶりを感じ取ることができる。

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