先週は当欄にも挙げたジェンティルドンナ全妹のドナアトラエンテがデビュー勝ち。その他にもジャスタウェイ産駒のヴェロックスが8馬身差V、サムシングジャストがソルドラードを破るなど、非常に見応えのある新馬戦が行われた。

　夏競馬も後半戦を迎えており、続々と注目馬がデビューを迎えようとしている。

◆サクラザチェンジ(牡、父ストーミングホーム、母ライサ、美浦・武藤善則厩舎)

　昨年の北海道サマーセールに上場され、取引価格は842万4000円。ビッグレッド＆コスモ軍団の総帥・岡田繁幸氏がオーナーとして所有している。先週の追い切りでは3頭併せの真ん中に入れるなど順調に乗り込まれており、「操縦性がいいし、乗り手に従順。追ってからの反応もいい」と武藤善則調教師。8月11日、新潟の芝1800mを予定している。

◆ダイシンインディー(牡、父ゴールドアリュール、母キャッツ、美浦・戸田博文厩舎)

　祖母の異父弟にケンタッキーダービー馬のFusaichi Pegasusがいる。6月末から入念に追い切りの本数を積み、ひと追い毎に時計を詰めてきた。先週はデビュー戦3着のチェサピークベイを相手に優勢の手応えで先着しており、仕上がり具合の良さが目立つ。

「500キロを超す大型馬で体を持て余しているようなところもあるけど、見るからにパワフル。追い切りでも手応え良く動けているし、相当な馬力がある」と戸田博文調教師。8月12日、新潟のダート1800mを三浦皇成騎手で予定している。

◆ヒシエトワール(牝、父オルフェーヴル、母マイスウィートベイビー、美浦・木村哲也厩舎)

　昨年のセレクトセールに上場され、その取引価格5076万円。母は伊1000ギニーを勝っており、その異父兄(伯父)に同国のG1馬がいる。3代母は愛1000ギニーの勝ち馬。その他にも一族からは英豪香のG1馬が出ている。日本でデビューした兄姉は思うような結果を出せていないが、優秀な牝系だ。しっかりと乗り込まれており、ウッドチップコースで長めからの追い切りを順調に消化。時計的にも水準以上の動きを見せている。

「キックバックを嫌がって頭を上げたりするようなところがあるけど、ひと追い毎に改善している。馬の後ろでも我慢できるようになっているし、全体的に走りの質が上がってきた。デビュー戦に向け、いい形に持って来られたと思う」と木村哲也調教師。8月12日、新潟の芝1600mを北村宏司騎手で予定している。

◆ホウオウサーベル(牡、父ハーツクライ、母バランセラ、美浦・奥村武厩舎)

　昨年のセレクトセールに上場され、その取引価格は1億4580万円。現5歳の異父姉に紫苑Sを勝ち、オークス3着のビッシュがいる。先週はウッドチップコースで長めから追われ、3歳馬を相手に追走先着と好気配の追い切りを消化した。

「すごく賢くて折り合いがつくし、仕掛けてからの反応も素直。ギアを上げるのに少し時間が掛かるけど、スピードに乗ってからの走りがいいし、新潟のような広いコースは合いそう。いい馬だと思います」と小西調教助手。8月11日、新潟の芝1800mをM.デムーロ騎手で予定している。

(取材・文：竹之内元)