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「抽せん馬」で最も賞金を獲得した馬 ホットシークレットが制したステイヤーズSを回想

2025年12月04日 07:00

00年のステイヤーズSを制したホットシークレット(00年12月撮影、ユーザー提供:raizapさん)

 かつてJRAがセールで購買し、抽せんによって均一価格で希望する馬主に売却した競走馬を「抽せん馬」と呼んでいた。そして、多くのGI馬を所有してきた金子真人オーナーにとって唯一の抽せん馬がホットシークレットだ。90年代後半から00年代前半の中長距離戦線を盛り上げた名バイプレーヤーの足跡を振り返ろう。

 ホットシークレットは父ハンティングホーク、母スダナデシコ、母の父タイテエムの血統。静内の畠山牧場の生産馬だった。美浦・後藤由之厩舎からデビュー。3戦目で勝ち上がると、3歳春に若草Sでオープン初勝利。その後、一旦は900万下に降級したが、再びステップアップ。格上挑戦の形で4歳暮れのステイヤーズSに挑んだ。前年の菊花賞馬のナリタトップロードが圧倒的1番人気に推された一戦、ホットシークレットは単勝72.4倍の7番人気だったが大仕事を成し遂げる。柴田善臣騎手に導かれ、番手追走から逃げるタガジョーノーブルを捕らえると、そのまま先頭でゴール。重賞ウイナーの仲間入りを果たしたのだ。

 5歳時には目黒記念で重賞2勝目を挙げる。そして宝塚記念ではメイショウドトウ、テイエムオペラオーに続く3着に健闘。中長距離重賞には欠かせない存在として、順調にキャリアを重ねていった。そして6歳末、再びステイヤーズSに参戦する。2年前の覇者として1番人気に推されたレース。初騎乗の岡部幸雄騎手とともに番手で運ぶと、最後は逃げ粘るスエヒロコマンダー、外から迫る4番人気のダイタクバートラムとの叩き合い。写真判定の末、ダイタクバートラムをハナ差抑えて、3つ目の重賞タイトルをつかみ取ったのだった。

 ちなみにホットシークレットはハンティングホーク産駒として唯一のJRA重賞勝ち馬だった。また、抽せん馬の最多賞金獲得馬でもある。惜しくもGIには手が届かなかったが、金子真人オーナーの相馬眼を証明する1頭だったといえるだろう。

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