本格化は先でもセンスある動きに期待したいヴァンドギャルド(撮影:井内利彰)
今週は菊花賞トライアル、神戸新聞杯(9月23日・阪神芝2400m)が行われるが、日本ダービーの1着、2着、4着馬がここで激突。その4着馬エタリオウ(栗東・友道康夫厩舎)はちょうど一年前の阪神芝2000mでデビューしている。
当時は4番人気4着という結果だったが、後にダービーへ出走して上位入線を果たすのだから、やはりクラシック候補が集まる距離といってよいだろう。ちなみに2017年の日本ダービー2着馬スワーヴリチャード(栗東・庄野靖志厩舎)も秋開催の阪神芝2000mで2着だった。
【9月22日(土) 阪神芝1600m】
◆ヴァンドギャルド(牡、父ディープインパクト、母スキア、栗東・藤原英昭厩舎)
母はフィユドレール賞(芝2100m)などフランスで3勝を挙げており、半弟のハーツクライ産駒は今年のセレクトセール1歳にて、5400万円(税込)で落札されている。
本馬は6月27日のゲート試験に合格した後、一旦放牧へ出されているが、当時からセンスある動きが目立っていた。栗東へ再入厩してからは、短期間とはいえ夏前よりも成長した姿で追い切りの動きも軽快。9月12日は福永祐一騎手が跨り、6F82.9秒、1F12.4秒としっかり動けている。
馬名の意味由来が「長期熟成しておいしくなるワイン」ということなので、本格化は先かも知れないが、デビュー戦から楽しみな態勢は整っている。
【9月23日(日) 阪神芝2000m】
◆グランデストラーダ(牝、父ハーツクライ、母レジェンドトレイル、栗東・友道康夫厩舎)
母系に札幌2歳S、東京スポーツ杯2歳Sを制したコディーノ(父キングカメハメハ)がいる血統で、本馬のきょうだいには同厩舎で管理され、JRAのダートで3勝、芝で1勝を挙げたアドマイヤジャガー(父ネオユニヴァース)がいる。
本馬について「性別の違いもあって、アドマイヤジャガーとタイプは違いますが、距離がもちそうな体型という意味では似ています。牝馬にしてはガッチリしていますね」と友道康夫調教師。
先週の追い切りは芝馬場でビーチサンバ、アドマイヤユラナスとの3頭併せ。ゴール前ではビーチサンバに手応えで見劣っていたが、相手は先週のデビュー戦を快勝。その結果を見れば、この馬もそれに近いレベルにあると考えた方がよいくらいだろう。
【9月23日(日) 阪神ダート1400m】
◆スマートセラヴィー(牡、父ヘニーヒューズ、母スマートオーシャン、栗東・矢作芳人厩舎)
ヘニーヒューズ産駒には、矢作芳人厩舎在籍時にファルコンSを勝ったヘニーハウンド(母Beautiful Moment)のように芝で活躍する馬もいるが、日本で供用されるようになってからの産駒がドンフォルティス(栗東・牧浦充徳厩舎)やバイラ(栗東・川村禎彦厩舎)などダートのオープン競走を勝っている馬が多い。
本馬もダート指向の強さを感じさせる9月13日のCWコースでの動き。ホウオウライジン、ダンサーバローズとの3頭併せだったが、前半から速いラップを踏んだこともあり、ダンサーバローズは早々に脱落。最後はホウオウライジンとの追い比べだったが、ほぼ互角といってよい動きだった。
ラスト1Fは13.2秒だが、6F80.9秒は非常に優秀。13秒台のラップならどこまでも踏んでいけそうな持続力がある。鞍上は岩田康誠騎手が予定されている。
【9月23日(日) 中山ダート1200m】
◆スマートマウアー(牡、父タートルボウル、母ハイジトウショウ、栗東・大久保龍志厩舎)
父産駒には今年の小倉記念を勝ったトリオンフ(栗東・須貝尚介厩舎)がおり、芝のイメージを持つ方もいるかも知れないが、ダートで4勝を挙げているビックリシタナモー(栗東・音無秀孝厩舎)とアンデスクイーン(栗東・西園正都厩舎)がいるので、むしろダートで結果を残す馬が多いといってもよい。
本馬は5月10日のゲート試験に合格した後、一旦放牧へ出されて、8月4日に吉澤ステーブルWESTから栗東へ再入厩。坂路、CW、DPといろんな調教コースを使って入念に乗り込まれている。
9月12日のCWでは6F84.1秒、1F11.9秒を出しており、トラック馬場でも水準の時計をマークしている。ただ、動き自体は9月5日のDPの方が素軽い印象を受けたので、力のいる馬場よりも軽いスピードを活かせる馬場の方がよいかも知れない。鞍上は武豊騎手が予定されている。
(取材・文:井内利彰)