【菊花賞】初勝利からわずか106日で最後の一冠を手に入れたビッグウィーク/平成乱菊列伝

2018年10月18日 18:50

初勝利からわずか106日で菊花賞を勝利したビッグウィーク

 混戦の様相を呈する今年の菊花賞は。それだけに、夏の上がり馬にも注目が集まる。2010年はダービー当時、まだ未勝利だった馬が制した。「平成乱菊列伝」、今回はビッグウィークをお届けする。

ビッグウィークの良さが最大限に

 2歳9月のデビュー戦で8着すると、その後は4戦連続2着。なかなか勝ち切れなかったが、6戦目に未勝利を脱すると、そこから3連勝し充実の時を迎えた。

 菊花賞への優先出走権獲得を目指した、神戸新聞杯。いつものようにポンと飛び出し、好位を進み、直線も力強く伸びて先頭に立つ。が、その直後にローズキングダムエイシンフラッシュのダービー1・2着馬にあっさりと交わされ、3馬身離された。それでも3着は守り、菊花賞への切符を手にすることができた。

 菊花賞は、ローズキングダム1強の空気が高まるなか、ビッグウィークは7番人気でゲートが開く。この日も好スタートを切ったビッグウィークだが、コスモラピュタが逃げたため、それを見ながら3番手につける。そしてローズキングダムは中団後方から。中盤はコスモラピュタがペースを落とし13秒のラップが刻まれるが、隊列は変わらず淡々とレースが進む。マイペースで追走していたビッグウィークが、勝負に出たのは3コーナー過ぎだった。

「道中は逃げ馬の後ろでしっかりと我慢してくれて、3コーナー辺りで動いて行くのも思い通りでした」という川田騎手が振り返るように、ビッグウィークは坂の下りを利用すると一気にスパートをかける。そして直線を向くと、残り100mでコスモラピュタを交わして先頭に立つ。「直線に向いたときに前は捕まえられると思っていたので、あとは後ろから来なければと願いながら追った」という川田騎手のゲキに応え、ビッグウィークが脚を伸ばす。ゴール直前、ローズキングダムが切れ味鋭く追い込んできたが、時すでに遅し。ビッグウィークは1馬身1/4差で1番人気馬を退けた。ゴール後、川田騎手はパートナーの首を撫で、労をねぎらった。

 未勝利戦勝ちからコンビを組んできた川田騎手は、神戸新聞杯の敗戦を糧にしていた。「神戸新聞杯も抜群の脚で伸びてくれて、自分の中では勝ったかと思ったが、1・2着馬とは全然脚が違っていた。だから今度は早めに仕掛けて、持久力の勝負に持ち込もうと」。川田騎手がビッグウィークのストロングポイントを最大に活かし、ビッグウィークが初体験の3000mを勝負根性で最後まで粘り切ったことにより、最後の一冠を手に入れたのである。そしてそれは、初勝利からわずか106日でのことだった。

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