母系にはスピリッツミノルがいるサトノライジン(撮影:井内利彰)
先々週から3場開催となり、メイクデビューも各地で数多く行われているが、先週は除外される頭数の多いレースが目立った。10月21日(日)の東京ダート1600mはフルゲート16頭に対して、8頭の除外が出たが、これはこのカテゴリーの番組数を考えれば仕方ないのかなといったところ。
同日、新潟芝1600m(牝)はフルゲート18頭に対して10頭の除外が出た。似たような番組は10月20日(土)京都芝1400m(牝)という番組(フルゲート18頭)があったが、ここも3頭の除外が出ている。やはり「牝馬限定」という条件が人気なのだろう。
【10月27日(土) 京都芝2000m】
◆サトノライジン(牡、父ブラックタイド、母プロフェシーライツ、栗東・南井克巳厩舎)
母系には芝で5勝を挙げたスピリッツミノル(父ディープスカイ)や南井克巳厩舎で管理され、芝で5勝を挙げたサトノパンサー(父キングカメハメハ)がいる血統。本馬は2017年セレクションセール1歳にて、3780万円で落札されている。
9月27日の芝馬場では平凡な動きと時計だったが、翌週のCWでは併せた新馬をちぎって先着する派手な内容。10月12日のCWでは6F81.5秒を楽々とマークしており、10月18日の坂路では4F51.3秒で古馬1000万下のサトノプライムに2馬身ほど先着した。トラックでも坂路でもこれだけ動けば、勝ち負けの水準レベルは楽に超えている。あとは芝が不良馬場だったので動かなかったとすれば、レース当日は軽い馬場が希望だろう。鞍上は和田竜二騎手が予定されている。
【10月27日(土) 東京芝1600m(牝)】
◆アオイエンジェル(牝、父ハーツクライ、母シルバートレイン、栗東・西園正都厩舎)
母系にはブラックホーク(父Nureyev)やピンクカメオ(父フレンチデピュティ)といったG1ホースがいる良血。どちらもマイルG1を制しているが、その血を受け継いでいると感じさせたのが、10月18日の坂路での追い切り。
体重の軽い見習い騎手が跨っていたとはいえ、古馬1000万下を追走する併せ馬で同入。4F50.9秒をまだ余力ある状態でマークしている。10月11日の坂路でも4F54.5秒、1F12.4秒と終いしっかりした時計をマークしており「単なるスピード馬というわけではなく、いい脚を長く使えるタイプ」と西園正都調教師。ゲートも速い方なので、すんなり先手を奪えば止まらないはず。鞍上は戸崎圭太騎手が予定されている。
【10月28日(日) 京都ダート1800m】
◆ダノンスプレンダー(牡、父ロードカナロア、母メジロスプレンダー、栗東・安田隆行厩舎)
おじに重賞4勝を挙げているサトノノブレス(父ディープインパクト)がいる血統で、2017年セレクトセール1歳では、6696万円で落札されている。半姉に安田隆行厩舎で管理されたオルフェーヴル産駒のヴァイザッハがいたが「姉は400ちょっとの馬体でしたし、タイプは全く違いますね」と安田隆行調教師。
9月8日にノーザンFしがらきから栗東へ入厩し、CWでは3週続けて併せ馬に先着している。その時計は週を追うごとに詰めており、調教を積んで、確実に良化の曲線を辿っている。当初は芝デビューの予定だったが、ジョッキーの進言もあり、ダートでデビューすることになった。ちなみにロードカナロア産駒はダート戦のメイクデビューで勝ち馬が出ていない(出走13頭)。そういった意味でもどんな結果を見せるのか注目したいところ。鞍上は藤岡康太騎手が予定されている。
【10月28日(日) 東京芝1400m】
◆エイシンポジション(牝、父オルフェーヴル、母エイシンパンサー、栗東・野中賢二厩舎)
母は野中賢二厩舎で管理されて、芝で3勝、ダートで1勝という成績。ちなみに本馬は先週の京都芝1400m(牝)で除外されているので、優先権を持った状態でこのレースの参戦を予定している。
10月11日がCWでの追い切りだったが、古馬オープンのカゼノコと併せて同入。5F時計は遅めだったが、ラスト1Fは12.4秒で余裕のある手応えだった。10月17日の坂路では4F54.8秒、1F12.0秒。テンゆっくり、終いしっかりという動きをトラック馬場でも坂路馬場でも見せているだけに、上がり勝負になりやすい新馬戦には向いているはず。鞍上はJ.モレイラ騎手が予定されている。
(取材・文:井内利彰)