「彼の将来にとって大事な一戦」と語ったスワーヴリチャードの庄野調教師(撮影:花岡貴子)
■スワーヴリチャードを管理する庄野靖志調教師
――春は大阪杯を勝ち、安田記念は3着でした。
庄野 金鯱賞から立ち上げてその中でGIを戦いました。安田記念は初めてのマイルでしかもGIだったので、どれだけやれるかという期待を持ちながら迎えたレースでした。レコードにコンマ1秒と十分走ったと思います。
――今後につながるレースでしたか?
庄野 そうですね。東京のマイルを使ったことで、今回の東京の2000mでいい方向に向いてくるのではないかと思います。
――宝塚記念は見送って休養に入りましたが、その狙いは?
庄野 時期的なものがありますね。暑い時期があまり好きな馬ではないですし、ここまでの休養期間も欲しかったので。
――見送ったことでのプラスは?
庄野 夏場、しっかり休めたのが一番かなと思います。ここに至るまでに馬もしっかりリフレッシュできました。
――今回の休み明けの調整は?
庄野 9月13日に帰厩しました。当初は少し緩さもありますし、体も余裕あるかなという感じでしたが、そこから追い切るごとに馬もどんどん良くなってきた。この秋諸戦はGIという舞台で迎えますけれども、それに恥じない仕上がりで臨めると思います。
――1週前追い切りについて教えてください。
庄野 前に目標を置きながらでしたが、馬もリフレッシュして元気が良かったです。1週前なのでしっかり時計を出したかったですし。ミルコにも「しっかりやっといて」と言いました。先週追い切ったことで、今週の追い切りにうまくつなげられるな、と。本当にいい内容でした。
――今週の追い切りについて教えてください。
庄野 いつもどおりです。CWで前に2頭目標を置きました。今週は速くなり過ぎないようにと考えていました。先週よりも折り合いもすごく良かったですし、3コーナー、4コーナーの走り方もすごくダイナミックでした。ここまで本当に順調に来ているなと思いますね。
――最後は半馬身くらい遅れたように見えましたが?
庄野 その辺は特に気にしていません。ミルコにもあまり速くなり過ぎないようにと指示しましたしね。それでいて12秒を切れているので十分な追い切りだと思います。(タイムについては)やれば時計自体はもっと出る馬なので。競馬当週としてはちょうどいい追い切りが出来たと思います。
――東京芝2000mという条件については?
庄野 まず、東京競馬場というのはスワーヴリチャードがすごく好きな競馬場だと思っています。2000mというのも彼にとっては本当に得意な距離だと思っています。春にGIを勝たせてもらってここから秋のGI戦線が始まりますが、ここからの一戦一戦が彼の将来にとって大事な一戦だと思っていますので、大事にしっかり戦っていきたいと思います。
――特にその中の一戦目が天皇賞(秋)となります。
庄野 天皇賞(秋)というと、すごく格もあって重みもあって。ぜひとも彼にとってもらいたいレースだと思います。
――距離もいいし、左回りもよさそうですね。
庄野 そうですね。デビュー当初から左回りのほうがいいんじゃないか、という印象があってそう思ってはいたんですけど。実際、左回りの成績は出ていますしね。相性のいいコースだと思っています。
――予報ではお天気も良さそうです。理想の馬場状態は?枠順は?
庄野 去年の天皇賞は結構雨が降ってドロドロのかわいそうな感じの馬場でした。今週は良馬場で迎えられると思いますので、特にその辺は気にしていないです。枠順はジョッキーと話しながら。実際に枠順が出てからですね。
――かなり外になると厳しそうですが?
庄野 ゲートもまだ不安定なところもあるので、あまり包まれたくないと思う反面、外からだとだいぶ脚も使ってしまいますので。真ん中から好位をとれたら一番いいのかなと思います。
――最後に抱負を。
庄野 今回、秋緒戦、天皇賞という舞台でメンバーもGI馬がたくさん出てきて、去年クラシックを戦った馬たちと古馬になって一緒に走るのもすごく嬉しいですし。そういう強いメンバーの中で強い競馬をして勝てればそれが一番いいですね。ぜひともいい競馬を期待しています。
(取材・文:花岡貴子)