【JBCクラシック】8歳で連覇を達成したタイムパラドックス/JBC王者列伝

2018年10月30日 20:15

2006年、8歳でJBCクラシックを連覇したタイムパラドックス(撮影:高橋正和)

 今年のJBCクラシック登録馬のなかで最高齢は8歳馬。昨年の優勝馬サウンドトゥルーと、1年ぶり5度目の出走となるクリソライトで、どちらかが勝てばJBCクラシック最高齢タイとなる。現在の記録は2006年に達成された。今回の「JBC王者列伝」は、タイムパラドックスをお届けする。

■GIで抜群の安定感を見せ、8歳で連覇を果たす

 タイムパラドックスの初重賞制覇はデビューから21戦目の平安S、6歳でのものだった。その後、アンタレスS、ブリーダーズゴールドC、白山大賞典と重賞を3勝し、3番人気でJBCクラシックへ挑む。道中は掛かっていたというタイムパラドックスだったが武豊騎手になだめられ、直線で3着まで追い込んだ。勝ったのは同厩のアドマイヤドンで、3連覇を果たした。

 ところが次走のジャパンカップダートでは、アドマイヤドンを差し切り2馬身半差でGI初制覇。アドマイヤドンが3度挑んで獲れなかったジャパンカップダートのタイトルを、一度で手にしたのである。

 2004年は12戦5勝2着1回3着2回。本格化したタイムパラドックスは、休むことなく走り続けた。

 2005年、7歳のタイムパラドックスは、川崎記念と帝王賞でGIを2勝し、この年の9戦目として名古屋1900mのJBCクラシックへ向かう。1番人気は重賞3連勝中のサカラート、タイムパラドックスは前年に続いて3番人気だった。レースは3コーナー半ばで先頭に立った名古屋のレイナワルツを残り100mで捕らえ、内から追い込んできたユートピアを1馬身抑えた。終始、外を回る競馬だったが、余裕十分の差し切り勝ちだった。

 その後、ジャパンカップダート(4着)、東京大賞典(3着)は勝てなかったが、2005年は11戦3勝2着3回3着3回。ベテランの安定感を見せつけた。

 2006年、8歳になったタイムパラドックスは現役を続行したが、脚の不安などから3か月ほど間隔があいたり競走除外もあり、最高成績は年明けの川崎記念3着。そのため3度目のJBCクラシックは5番人気で迎えることとなる。1番人気のシーキングザダイヤは、前年のJBCクラシック6着後、GIを4戦連続2着するなど本格化しており、1.6倍の圧倒的人気を集めていた。川崎2100mで行われたレースはスローペース。早めにポジションを上げたタイムパラドックスは、3〜4コーナーで先頭に立つ。そして直線に入るとリードを広げ、シーキングザダイヤらの人気勢を振り切り、1.1/2馬身差でゴールした。8歳にしてJBCクラシック連覇。当時、史上最高齢での平地GI勝利で、管理する松田博資調教師はアドマイヤドンからJBCクラシック5連覇を達成した。

 タイムパラドックスはその後、ジャパンカップダートへ向けて調整中に骨折が判明。そのまま引退となった。

 生涯成績は50戦16勝、重賞は9勝をマークした。GIは5勝したが、6歳1勝、7歳3勝、8歳1勝。6歳以降のGI出走18回のうち、掲示板を外したのはたったの2回だった。また、4歳10月以降8歳で引退するまで長期休養はほとんどなく、旭川から盛岡、金沢、南関東、名古屋まで、各地の交流重賞に参戦し続けた。タイムパラドックスは、心技体のそろった馬だった。

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