【JBCクラシック】4つのGIで“連覇”があるコパノリッキー/JBC王者列伝

2018年11月02日 19:15

JBCクラシックを2014・15年と制したコパノリッキー(撮影:高橋正和)

 今年はどの馬がハナを切るのか。京都コースで行われることで、展開は変わるのか。「JBC王者列伝」、今回は2014年と2015年で逃げて連覇したコパノリッキーをお届けする。

■ともに逃げ切りで連覇達成

 コパノリッキーは2014年のフェブラリーSでGI初勝利をあげると、2017年の現役最後のレースとなった東京大賞典まで、GIを計11勝した。これはGI最多勝利記録だが、この中身は他馬と一線を画している。それは同一GI連覇が4レースあるということ。メジロマックイーンやテイエムオペラオー、ウオッカキタサンブラックなどの平成の名馬や、「JBC列伝」で取り上げたダート最強馬たちの1レースに比べると異色ではないだろうか(シンボリクリスエスは天皇賞・秋と有馬記念の2レースで連覇している)。4レースは、フェブラリーS(2014・2015)、かしわ記念(2016・2017)、南部杯(2016・2017)、そしてJBCクラシック(2014・2015)である。

 JBCクラシックは2年とも3番人気で、8枠15番からのスタートだった。

 盛岡2000mの重馬場で行われた2014年は、ハナを奪ったコパノリッキーに5番人気ベストウォーリア、4番人気ホッコータルマエ、1番人気クリソライトが並んで追走、その後ろに2番人気ワンダーアキュートと高知のファイアーフロートが続く。それ以降は差が開き、隊列は20馬身近い縦長になった。直線を向き、ベストウォーリアホッコータルマエコパノリッキーに並びかけるかに見えたが抜かせない。それどころか、後続を突き放し2着馬に3馬身差をつけてゴール板を駆け抜けた。コースレコードを1.1秒短縮する逃げ切り勝ちだった。

 大井2000mの不良馬場で行われた2015年も、コパノリッキーはいつも通りハナに立つ。2番手は2番人気のクリソライト、3番手グループには国内GIを4連勝して臨んできた断然の1番人気ホッコータルマエがつける。この年のコパノリッキーは3コーナー過ぎからリードを広げ、手ごたえ十分で直線に向いた。結局、一度も並ばれることなく、2馬身半差で史上5頭目のJBCクラシック連覇を果たした。JBCにはその後も出走し、2016年はクラシック5着、2017年はスプリント2着だった。

 コパノリッキーの同一GI連覇のなかで、衝撃的だったのはフェブラリーSだろう。2014年は抽選突破から最低人気での勝利で、単勝配当2万7210円の大波乱を巻き起こした。それから一年後、堂々の1番人気で連覇すると単勝配当は210円に。配当は大きく変わったが、どちらも直線で抜け出し、2着馬の追撃を抑えての押し切り勝ちというのは変わらなかった。

 生涯成績は33戦16勝、2015年にはJRA最優秀ダートホースに、2016・17年にはNARグランプリダートグレード競走特別賞に選出された。デビュー以来、ダート一本で勝負し続け、一度頂点に立ったレースを一年後に再び制すという、難しいチャレンジを乗り越えてみせた。引退式は京都競馬場で行われた。コパノリッキーは武豊騎手を背に、一度もレースでは使われなかった芝コースを駆け抜けた。

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