秋競馬最初の2歳重賞として10月に行われていたが、朝日杯FSの前哨戦として施行時期が繰り下げられて、今年で5年目になる。10月に行われていた頃は、レーヴディソールやキャプテントゥーレなど、翌年のクラシックの主役クラスを輩出するレースだったが、時期変更以後は同時期の2歳重賞にメンバーが分散することから、かつてのような重要性は失われつつある。
1.前走の格は関係ない
前走で重賞・オープン特別を使っていた馬が、過去10年で2勝2着5回で勝率4.2%・連対率14.6%であるのに対して、前走で新馬・未勝利を勝ったばかりの馬が8勝2着5回で、勝率12.5%・連対率20.3%。昨年は新潟2歳Sを勝ったフロンティアが4着に沈むのを尻目に、前走新馬戦組が1-3着を占めた。2015年には3連勝中のシュウジを新馬勝ち直後だったエアスピネルが差し切った例もあり、素質があればキャリアの少なさは不問にしていい。
2.折り合って差す競馬ができるか
過去歴を見ると逃げ・先行馬の活躍が目立つが、それは少頭数になることがほとんどであることが影響している。過去10年間で前走で逃げていた馬は[0-1-2-15]と不振だ。それまでに「差す競馬」をマスターしているかどうかは、2歳重賞の重要チェックポイントである。
3.秋競馬に使われている馬が中心
レースの施行時期が移動してからの4年間で、夏のローカル以来の臨戦で連対したのは、2015年に断然の1番人気で2着だったシュウジのみ。秋の中央場所は多くの素質馬がデビューする舞台でレースレベルも高くなっており、ローカルから休み明けで挑む馬にとっては超えるべきハードルは低くない。
キャリアより素質重視という方針から、未勝利戦を勝ったばかりのドナウデルタに注目したい。初戦は随所に若さを見せながらの競馬で2着に敗れたが、レースを学習した2戦目は長く脚を使っての完勝で、重馬場を考慮すれば時計も優秀だ。母のドナウブルーは京都芝1600mで京都牝馬Sを制したように、このコースを得意にしていた。娘にとってもこの舞台がプラスに働くと見る。