いい脚を長く脚を使えそうなライルは2000mで初陣を迎える(撮影:竹之内元)
今年の中央開催も残すところわずか1日。当ニュースで取り上げた多数の若駒が新馬勝ちをみせ、なかにはGIを含む重賞戦線を賑わすまでに出世した馬も。
とはいえ、クラシック戦線は年明けからが本番。今週デビュー予定の新馬は近親に早期からGIを制した良血馬もおり、今年最後のメイクデビューも引き続き要注目だ。
◆ライル(牡、父ディープインパクト、母ライラックスアンドレース、美浦・手塚貴久厩舎)
昨年の阪神JFを制したラッキーライラックの異父弟。ゲート試験に合格後はノーザンファーム天栄で乗り込み、11月23日に再入厩した。1週前の追い切りではヤングマンパワー、ラストヌードルとの3頭併せを消化。しっかりと長めから時計を出し、ひと追い毎に上昇している。
「体高も幅もある体つき。気性的にはムキになったり、右にモタれるようなところがあるけど、しっかりと動けている。デビュー前のレベルとしては水準以上。いい脚を長く使えそうなタイプだし、距離も2000mぐらいまではこなせると思う。血統的にも期待しています」と手塚貴久調教師。12月28日、中山の芝2000mをO.マーフィー騎手で予定している。
◆エンシュラウド(牡、父Authorized、母Screen Star、美浦・藤沢和雄厩舎)
異父姉のLumiereはイギリスの2歳GI・チェヴァリーパークSの勝ち馬。父はエプソムダービーなど英GIを3勝しており、日本での代表産駒にバンデ(菊花賞3着)がいる。
「馴染みのない種馬だけど、いい背中をしているし、フットワークが雄大。走らせると迫力もあるし、いい馬です」と津曲調教助手。12月28日、中山の芝2000mをC.ルメール騎手で予定している。
◆エールディヴァン(牡、父ディープインパクト、母ワイ、美浦・堀宣行厩舎)
4代母が世界的名牝のMiesque(=Kingmamboの母)。祖母のRumplestiltskinは愛仏の2歳GIを2勝し、カルティエ賞の最優秀2歳牝馬に選出された。叔母にTapestry(ヨークシャーオークス)、一族からはリアルスティール(ドバイターフ)も出ている。ゲート試験に合格後も在厩して調整され、古馬との併せ馬を順調にこなしてきた。
「乗り込むに連れ、動きは少しずつ良くなってきました。馬っぷりも良く、素質の高さを感じます」と森調教助手。12月28日、中山の芝2000mをM.デムーロ騎手で予定している。
◆エレガントクラウン(牝、父キンシャサノキセキ、母フリティラリア、美浦・大竹正博厩舎)
アドマイヤムーン産駒の母は1勝。伯母にアイスフォーリス(オークス3着)、従姉にアリア(函館2歳S3着)がいる。先週の追い切りは古馬のゴージャスガールを追走して併入。時計的にも合格点を与えられる。
「キンシャサノキセキの仔だけど、ゆったりと走れる距離のほうが良さそう。うまく流れに乗れれば…」と大竹正博調教師。12月28日、中山の芝2000mを池添謙一騎手で予定している。有馬記念をブラストワンピースで制し、勢いに乗るコンビに注目だ。
(取材・文:竹之内元)