今年の中央開催も残すところわずか1日。当ニュースで取り上げた多数の若駒が新馬勝ちをみせ、なかにはGIを含む重賞戦線を賑わすまでに出世した馬も。
とはいえ、クラシック戦線は年明けからが本番。今週デビュー予定の新馬は近親に早期からGIを制した良血馬もおり、今年最後のメイクデビューも引き続き要注目だ。
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ライル(牡、父ディープインパクト、母ライラックスアンドレース、美浦・手塚貴久厩舎)
昨年の阪神JFを制した
ラッキーライラックの異父弟。ゲート試験に合格後はノーザン
ファーム天栄で乗り込み、11月23日に再入厩した。1週前の追い切りでは
ヤングマンパワー、
ラストヌードルとの3頭併せを消化。しっかりと長めから時計を出し、ひと追い毎に上昇している。
「体高も幅もある体つき。気性的にはムキになったり、右にモタれるようなところがあるけど、しっかりと動けている。デビュー前のレベルとしては水準以上。いい脚を長く使えそうなタイプだし、距離も2000mぐらいまではこなせると思う。血統的にも期待しています」と手塚貴久調教師。12月28日、中山の芝2000mをO.マーフィー騎手で予定している。
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エンシュラウド(牡、父Authorized、母Screen Star、美浦・藤沢和雄厩舎)
異父姉の
Lumiereはイギリスの2歳GI・チェヴァリーパークSの勝ち馬。父は
エプソムダービーなど英GIを3勝しており、日本での代表産駒に
バンデ(菊花賞3着)がいる。
「馴染みのない種馬だけど、いい背中をしているし、フットワークが雄大。走らせると迫力もあるし、いい馬です」と津曲調教助手。12月28日、中山の芝2000mをC.ルメール騎手で予定している。
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エールディヴァン(牡、父ディープインパクト、母ワイ、美浦・堀宣行厩舎)
4代母が世界的名牝の
Miesque(=Kingmamboの母)。祖母の
Rumplestiltskinは愛仏の2歳GIを2勝し、カルティエ賞の最優秀2歳牝馬に選出された。叔母に
Tapestry(ヨークシャーオークス)、一族からは
リアルスティール(ドバイターフ)も出ている。ゲート試験に合格後も在厩して調整され、古馬との併せ馬を順調にこなしてきた。
「乗り込むに連れ、動きは少しずつ良くなってきました。馬っぷりも良く、素質の高さを感じます」と森調教助手。12月28日、中山の芝2000mをM.デムーロ騎手で予定している。
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エレガントクラウン(牝、父
キンシャサノキセキ、母フリティラリア、美浦・大竹正博厩舎)
アドマイヤムーン産駒の母は1勝。伯母に
アイスフォーリス(オークス3着)、従姉に
アリア(函館2歳S3着)がいる。先週の追い切りは古馬の
ゴージャスガールを追走して併入。時計的にも合格点を与えられる。
「
キンシャサノキセキの仔だけど、ゆったりと走れる距離のほうが良さそう。うまく流れに乗れれば…」と大竹正博調教師。12月28日、中山の芝2000mを池添謙一騎手で予定している。有馬記念を
ブラストワンピースで制し、勢いに乗るコンビに注目だ。
(取材・文:竹之内元)