ルメール騎手騎乗のラストドラフトが重賞制覇(撮影:下野雄規)
12頭の若駒が出走した、第59回京成杯のゲートが開いた。伸び上がるように出たリーガルメイン以外は、ほぼ横並びのスタートを切った。
クリストフ・ルメールが騎乗するラストドラフトがスタンド前でハナに立った。その内からカテドラルが上がってきた。2頭はやや馬体を離して併走したまま1コーナーに入って行く。
1馬身ほど後ろの3番手はオイシン・マーフィーのランフォザローゼス。カフジジュピター、1番人気のシークレットラン、ヒンドゥタイムズらがつづく。
1、2コーナーを回りながら、内のカテドラルがじわっと単騎でハナに立った。
2番手はラストドラフト、3番手はランフォザローゼスという馬順で向正面へ。
先頭から最後方まで10馬身ほどとなり、1000m通過は1分01秒1。
3コーナーでラストドラフトがカテドラルに並びかけ、ランフォザローゼスも外から進出する。楽な手応えで進むこれら3頭の外から、ミルコ・デムーロのダノンラスターがマクるように上がってきた。これらの直後の内にヒンドゥタイムズ。結果的に、勝ち負けになったのは、このあたりまでにつけていた馬たちだった。
その2馬身ほど後ろのシークレットランは、内田博幸がラスト600m手前でステッキを入れながら激しく追うが、なかなか前との差は詰まらない。
ラストドラフトがほとんど持ったままで先頭に立ち、直線へ。ルメールが軽く手綱をしごいただけで鋭く反応し、ストライドを伸ばす。
ラスト200m地点でランフォザローゼスに迫られたが、ルメールのステッキを合図にさらに末脚を伸ばし、先頭でゴールを駆け抜けた。
勝ちタイムは2分01秒2。
1馬身1/4差の2着はランフォザローゼス、首差の3着はヒンドゥタイムズ。シークレットランはそこから1馬身1/4遅れた4着だった。
ラストドラフトは、11月25日に東京芝1800mで行われた2歳新馬戦につづく2戦2勝。ルメールが「物見をしていた」とコメントしたり、外からランフォザローゼスに来られて鞭が入るとまた伸びたりと、これから競馬を覚えていく段階であることを感じさせたが、それはすなわち大きな伸びしろがあるということだ。
母は2011年の桜花賞馬マルセリーナ。同馬はディープインパクト産駒初のGI勝ち馬である。
そして、ラストドラフト自身は、ノヴェリスト産駒初のJRA重賞勝ち馬となった。
どんな成長を見せてくれるか、先々が楽しみな良血馬である。
(文:島田明宏)