2015年の桜花賞 右がルメール騎手騎乗のコンテッサトゥーレ
17日に東京競馬場で行われるフェブラリーS(4歳上・GI・ダ1600m)、今年注目されているポイントの1つが、コパノキッキング鞍上の藤田菜七子騎手のGI初騎乗。そこで今週は「騎手のGI初騎乗」をテーマに、当時の競馬界やレースを振り返ってみる。今回はフェブラリーSでも有力馬のゴールドドリームに騎乗するクリストフ・ルメール騎手。
■スローの流れを直線でイン強襲
昨年はJRA年間最多勝記録、JRA・GIの年間勝利数記録、JRA年間最多獲得賞金記録と様々な記録を更新したクリストフ・ルメール騎手。通年免許を取得し、JRAのジョッキーとしてデビューしたのは2015年4月4日のこと。いきなり翌日の大阪杯を4番人気のラキシスで制覇と、印象的なスタートを切ったのももう4年前だ。JRA騎手としてのGI初騎乗はその翌週の桜花賞、8番人気と伏兵評価のコンテッサトゥーレでのものだった。
1枠1番からの発走となったコンテッサトゥーレとルメール騎手は、スローペースの中じっと内で我慢。最内から鋭い脚で伸び、逃げた5番人気レッツゴードンキ、後方から追い込んできた7番人気クルミナルに続く3着となり、3連単配当は233,390円という波乱の結末となった。桜花賞では珍しい1分36秒台の決着であり、例年接戦となるこのレースで見せたレッツゴードンキの圧勝劇。ルメール騎手も「珍しいレース」とのコメントを残したが、人気以上の好走を見せたコンテッサトゥーレを「いいパフォーマンスでした」と讃えた。
ルメール騎手はこの年の12月、JRAジョッキーとして新馬戦からともに歩んできたメジャーエンブレムとのコンビで阪神JFを制覇。通年免許取得後初のJRA・GI勝利を挙げる。その後の活躍、手にしたビッグタイトルの数々は言うまでもない。
ちなみにJRAの通年免許取得以前のGI初騎乗はタップダンスシチーが勝利した2003年のジャパンC、17番人気12着のフランス馬・アナマリーに騎乗してのものだった。GI初勝利はディープインパクトをハーツクライに騎乗して破った2005年の有馬記念、ルメール騎手にとってこれは意外にも重賞初勝利でもあった。