昨年の春秋スプリントGIを制したファインニードルが引退し、混戦模様が火を見るより明らかな今年の高松宮記念。今後、スプリント界をけん引していく王者は誕生するのか? 昨年、一昨年と本レースをズバリ的中させ、今年ここまでの回収率166%という絶好調男・Mr.K氏に、血統面から今年の高松宮記念攻略のヒントをうかがった。
「高松宮記念は、ミスプロ持ちがハチャメチャに強いレース。キングマンボ系はいわずもがな、エンドスウィープ系(ファインニードル、セイウンコウセイ、レッドファルクス、ハクサンムーンなど)の活躍が近年目立つほか、ダンスディレクター(アルデバラン?産駒)やサドンストームとティーハーフの全兄弟(ともにストーミングホーム産駒)が4着に好走していたり…と、とくに際立った成績が出ています。ロードカナロアもキングマンボを経由したミスプロ父系です。
これが母父に入った場合も同様で、16年の覇者ビッグアーサーは母父がキングマンボ。同じ年の3着馬アルビアーノも母父がアンブライドルドで、ひいてはミスプロ。13年の2着馬ドリームバレンチノは母父がマイネルラヴ。こちらもミスプロです。
12年の2着馬サンカルロも母父がクラフティプロスペクターでミスプロにつながります(※サンカルロは11年にも2着でしたが、この年は阪神開催だったので一旦考慮外)。また、昨年3着に入ったナックビーナスも血統表の奥でミスプロの全兄弟クロス(Mr.Prospector=Search for Goldの5×5)を持っています。
しかし今年に限っては、「ミスプロ持ち」で出走馬を絞ってもなお、ダノンスマッシュ、モズスーパーフレア、レッツゴードンキをはじめ、大多数の出走馬が該当する状況。この傾向を買い目へと昇華させるには、さらに優先度をつける必要が出てきます。
そうしたなかでも、まず注目したいのがロジクライです。中京の芝ととくに相性のよいトニービンの血を父ハーツクライから受け継いでおり、14年の覇者コパノリチャード(不良馬場だったので、なおさらグレイソヴリンが効いていた説がありますが)や、07年の覇者カレンチャンもトニービン持ちです。
先日のファルコンSで2着に入ったグルーヴィットや、金鯱賞で2着に入ったリスグラシューもトニービンの血を引いていましたね。
またディープインパクトやレイデオロ、ゴルトブリッツなどを輩出したBurghclereの牝系出身で、富士Sを1分31秒7で走破しているとおりスピード能力は折り紙つきです。前走の阪急杯ではゴール前で前が開かず無理やり進路を変える小さなロスがありつつも、再び脚を伸ばして3着に入線しました。
母系にダンチヒと、パワーを補強するSpecial(ヌレイエフ母かつサドラーズウェルズの2代母です)の全弟Thatchを持っており、中京の急坂にも十分対応できるでしょう。距離短縮の大舞台で期待したいですね。
もう1頭、私が注目しているダイメイフジは「中2週以内」かつ「右回り」のローテで実績を出している馬。左回りに懸念はありますが、父アグネスデジタルがミスプロ父系かつダンチヒを持っており、また母系からもミスプロを引いており、3×4のクロスを持っている点を評価しました。
早い上がりを使うタイプではないので、前走同様、モズスーパーフレアが前を率いて流れたペースに乗れる展開イメージも買い要素のひとつです。
また、母父のダンスインザダークがニジンスキーを持っているのも注目したいポイントです。昨年の覇者ファインニードルは、父からミスプロを引きつつ母母父にロイヤルアカデミー、ひいてはニジンスキーを持っていました。
同2着のレッツゴードンキ、4着のダンスディレクターも母系にニジンスキーを抱えています。その他にもハクサンムーン、コパノリチャード、ストレイトガール、カレンチャンなどがニジンスキー持ちに該当。持続力の求められる長い直線との相性が光っています。
とはいえ、ここまで注目馬として説明してきた上記2頭の評価は、私のなかでは2番手と3番手。とくにダイメイフジに関しては「旬が来ているアグネスデジタル産駒は買い続けるべき」という持論に基づいて、前走のオーシャンSに引き続き、本命馬の相手として狙う予定です」