末脚を活かせる舞台でタガノディアマンテに期待(撮影:下野雄規)
かつては菊花賞トライアルとして重要な位置づけにあったレースだが、2000年以降は春シーズンに移設され、ダービーへのステップレースへと変更された。
過去10年で、このレースの上位馬がどのレースをステップにしてきたかといえば皐月賞、毎日杯、共同通信杯といった重賞組と1800m以上の500万円以下の特別戦組に大別される。新馬戦、あるいは未勝利戦を勝って挑んできた馬は35頭がすべて4着以下に敗れている。
逆に、このレースをステップにダービーで馬券の対象となった馬は3頭(13年キズナ=1着、15年サトノラーゼン=2着、12年トーセンホマレボシ=3着)。皐月賞組以外からでは唯一、優勝馬を輩出しているレースであり、1〜3番人気馬は8勝2着6回3着2回。1番人気は3勝2着2回3着2回と比較的堅調なレースだ。
◎タガノディアマンテは1勝馬とはいえ、きさらぎ賞2着、スプリングS4着。皐月賞は6着だったとはいえ、外枠から出走メンバー中、2番目の上がりタイムを繰り出した。半兄にタガノトネール(武蔵野S)、タガノエスプレッソ(デイリー杯2歳S)などがいる血統でレベルは高い。京都競馬場の外回りコースは、自慢の末脚を活かせる舞台だ。
◯ロジャーバローズは新馬戦に勝ったあと、紫菊賞でアドマイヤジャスタの2着したあと福寿草特別を快勝し、スプリングSでは2番人気に支持された。このときはパドックからイレ込み気味で、外枠ということあって先行力を生かせなかったが、改めて期待したい。
上昇度が魅力なのは▲ヒーリングマインドだ。未勝利脱出まで5戦を要したが、6番人気で出走したアザレア賞で豪快な追い込みを決めた。タニノギムレット産駒の愛国産馬で母はモンズーン(独チャンピオンサイアー)×シンコウエルメス(ジェネラスの半妹)という血統。スケールの大きさを感じさせる馬だ。
昨年の皐月賞2着サンリヴァルの全弟△ヴァンケドミンゴ、前走不利があったが末脚確かな△オールイズウェル、良血△サトノソロモン、まだ見限れない△ブレイキングドーンまで押さえておきたい。