ダート路線変更後も地力の高さを見せているシュウジ(撮影:下野雄規)
創設当初こそ第2回(98年)大井・カガヤキローマン、第4回(00年)北海道・オースミダイナーが優勝、2着はマークオブハート、と北海道所属馬がワンツーフィニッシュするなど地方勢も互角に渡り合っていたが、第5回以降は18年続けてJRA勢が勝利。特に門別に舞台を移した09年以降は同年ヴァンクルタテヤマ(この年のみ門別1000m。翌10年以後は1200mで施行)が、17年には門別デビューのJRA・ニシケンモノノフがレコードタイムを更新するなど圧倒し続けている。
過去の勝ち時計を紐解くと、乾いた力のいる馬場状態でも1分12秒台までに収まっており、一層パワーを求められる直近の状況でも砂の深い門別で1分12秒台以下を叩き出せるスピードとパワーが求められるだろう。となれば、上位候補はJRA勢に限られそうとみるのが妥当だろう。
中でもシュウジはJRA芝重賞2勝(小倉2歳S、阪神C)で実証済みのスピードと、2走前ダート初挑戦の千葉Sで2番手から楽に差し切ったパワーを併せ持っている。前走京葉Sは0秒1差3着と惜敗だったが、2キロ増の斤量59キロで速い上がりをゴールまで踏ん張り地力の高さを再認識させた。前走比1キロ減の斤量58キロなら堂々主役を務める。
ヤマニンアンプリメは3走前大和Sでオープン初Vの後、地方でのダートグレード連続2着。好調持続で斤量も据え置き54キロなら、門別の長い直線で自慢の末脚が唸りを上げる。
ノボバカラは前走栗東Sで実に2年半ぶりの勝利を挙げたが、今回より1ハロン長い1400m。斤量も2キロ軽い55だった。1200mへの短縮、そして2キロ増と条件は楽ではないが、そこは上位候補が限られる地方でのダートグレード。すんなりハナ、の希望が叶えば勝ち負けに持ち込めて不思議ない。
他では、前走天王山Sでオープン初Vを決め勢い出たタテヤマ、前走東京スプリント0秒2差4着で地方移籍後も衰え感じない大井・ショコラブランも上位を窺えそう。地元門別勢は時計勝負では如何にも分が悪い。
(文=ひだか応援隊)