木村哲也厩舎所属のヘイルメリー。いとこは宝塚記念などを制したラブリーデイ(撮影:竹之内元)
先週30日(日)、福島5Rの新馬戦。先週紹介した名牝ダイナカールの一族であるコンドゥクシオンが、不良馬場をものともせず見事勝利をおさめた。
過去この時期にデビューした馬たちは翌年のGI戦線で活躍している。今週も多くの素質馬たちが出走予定。今後の活躍に期待したい。
【7月6日(土) 福島芝1800m(牝)】
◆デュアルネイチャー(牝、父ゴールドシップ、母インコグニート、美浦・国枝栄厩舎)
叔父に2006年の京都記念を勝ち、皐月賞2着、ダービー3着、香港ヴァーズ2着など国内外で活躍したシックスセンスがおり、兄姉はカグニザント(3勝)やキュールエサクラ(現2勝)あたりがコンスタントに勝ち上がっている。5月29日にゲート試験をパス。徐々に調教のピッチを上げ、先週の6月26日には坂路で4F53.3-38.7-25.1-12.5をマークした。
「血統的にも気が強い。カッとなりやすいところがあるけど、ひと追い毎に良くなっているし、動き自体もしっかりとしてきた。いいモノを持っていると思う」と国枝栄調教師。
顔面の右半分が白斑に覆われており、その特徴的な顔つきにも注目していただきたい。
鞍上は内田博幸騎手を予定している。
【7月7日(日) 福島芝2000m】
◆ゴールデンレシオ(牡、父ディープインパクト、母ディヴィナプレシオーサ、美浦・国枝栄厩舎)
母はチリの2歳牝馬チャンピオン。4代母のメアジードーツ(Mairzy Doates)は第1回のジャパンCを勝っている。6月7日にゲート試験をパス。先週の26日に坂路で4F52.4 -38.4-25.6-13.0をマークし、今週のデビューにGOサインが出た。
「馬格もあるし、雰囲気は悪くない。まだまだ良くなりそう」と国枝栄調教師。
鞍上は和田竜二騎手を予定している。
◆シンプルゲーム(牡、父ハーツクライ、母ウィラビーオーサム、美浦・黒岩陽一厩舎)
母は米GI・サンタアニタオークスの勝ち馬。ゲート試験に合格後はノーザンファーム天栄で乗り込み、6月に入ってから再入厩した。先週の27日には坂路で4F53.8-38.9-25.2-12.3をマーク。このひと追いで陣営のトーンが急上昇している。
「馬場が荒れた時間帯でも楽な手応えで上がってきたし、抜群の動きだったと思う。背中がいいし、血統的にも初戦から期待しています」と黒岩陽一調教師。
鞍上は津村明秀騎手を予定している。
◆ヘイルメリー(牡、父オルフェーヴル、母クーデグレイス、美浦・木村哲也厩舎)
ホワイトマズル産駒の母はローズS3着、秋華賞4着など活躍した。4歳上の異父兄にブラックプラチナム(現3勝)、1歳上の異父姉にグレイシア(現2勝)、いとこにラブリーデイ(宝塚記念、天皇賞・秋など重賞6勝)がいる。
ゲート試験に合格後がノーザンファーム天栄で乗り込み、6月6日に再入厩。先週の26日にはポリトラックコースで追い切られ、30日にも坂路で4F55.1-39.7-25.6-12.8の時計を出した。
「まだメンタルに甘さがあるけど、そんなに張り切り過ぎるようなところはない。もともと馬格の良さが目立っていたし、しっかりと乗れている。大型馬でストライドが大きいぶん、エンジンのかかりは遅いけど、スピードに乗れば持続できるタイプ。芝の中距離向きだと思います」と木村哲也調教師。
鞍上は三浦皇成騎手を予定している。
【7月7日(日) 函館芝1800m】
◆オーソリティ(牡、父オルフェーヴル、母ロザリンド、美浦・木村哲也厩舎)
祖母のシーザリオは日米でGIを2勝(オークス、アメリカンオークス)。おじにエピファネイア(ジャパンC、菊花賞)、リオンディーズ(朝日杯FS)、サートゥルナーリア(ホープフルS、皐月賞)といったGI馬が並ぶ良血だ。
ゲート試験に合格後はノーザンファーム天栄で乗り込み、6月13日に函館入り。先週の26日にはウッドチップコースでオープン馬のゴールデンブレイヴと併せ、しっかりと負荷をかけた。
「まだ幼いところはあるけど、うまく調整できていると思う。体つきにはシンボリクリスエス(母の父)の血が出ている感じだし、長めの距離が良さそうです」と木村哲也調教師。
鞍上は池添謙一騎手を予定している。
(取材・文:竹之内元)