高いスプリント能力を持つ3歳馬ジョウランが重賞初Vを決めるか(撮影:高橋正和)
お盆シリーズ2日目のメイン競走は、最終12Rで行われる古馬スプリント重賞「第19回エトワール賞H3/1200m外回り、JBC協会協賛ビッグアーサー賞」。1着および2着馬に、10日8日(火)に行われる短距離の頂上決戦、JBC指定競走「第14回道営スプリントH2/1200m外回り、JBC協会協賛ファインニードル賞」への優先出走権が与えられる。
このところJRAや南関東から実績馬の転入が続き、さらに層が厚くなってきた門別の古馬スプリント路線だが、このエトワール賞にも精鋭14頭が集まり、ゴール前、非常に激しい追い比べを見せてくれることになりそうだ。
展開をどう読むかで、どの有力馬からでも馬券を組み立てられそうで目移りするが、特に注目したいのは3歳でここに駒を進めてきたジョウラン(牡3・田中淳司厩舎、父エスポワールシチー。服部茂史騎手54キロ)だ。
JRAで新馬勝ちを含め2勝をマーク、今春転入した門別では当初、3歳三冠路線を歩んで北斗盃H2が2着。北海優駿(ダービー)H1でも6着に踏ん張ったが、三冠めの王冠賞H2はパスして前走、ベスト距離1200mのA3-2組下特別に出走。4角2番手から直線は独走に持ち込み高いスプリント能力を披露してみせた。その勝ち時計1分11秒8(良)は非常に優秀で、今夜早々と重賞初Vを決めるシーンも十分に期待できるとみる。
格付け的にはまだ下の立場で「挑戦者」だが、かつて第8回(2008年)〜第10回(2010年)まで3年続けて勢いある3歳馬が勝利(08年ラブストレングス、09年クラフィンライデン、10年笠松ラブミーチャン)した実績もある。鞍上の服部茂史騎手も完全に手の内に入れているし、激戦必至のメンバー構成ということで、逃げても好位からでも自在に立ち回れるセンスの良さは大きなアドバンテージになるはずだ。
他では、2連覇ねらう前年覇者カツゲキライデン(牡8・廣森久雄厩舎、父ノボジャック。桑村真明騎手56キロが負傷のため亀井洋司騎手56キロが騎乗)に、前走そのカツゲキライデンを破り門別1200mで最多14勝をマークしているソルサリエンテ(牡5・松本隆宏厩舎、父カネヒキリ。宮崎光行騎手56キロ)、2歳秋の牝馬ダートグレード競走「エーデルワイス賞JpnIII」でJRAリエノテソーロの2着したアップトゥユー(牝5・角川秀樹厩舎、父サウスヴィグラス。阿部龍騎手55キロ)らの走りに注目が集まりそうだ。
なお、昨日の第3競走で落馬負傷し、本日の騎乗予定馬がすべて乗り替わりとなった桑村真明騎手と伊藤千尋騎手の状況等については、14日午後2時段階で未だ主催者からの公式発表は「負傷による騎乗変更のお知らせ」のみだが、心配されているファンの皆さんも多数いらっしゃるはず。所属厩舎への確認等々、公表までには様々な調整や手続きもあるのだろうし大変かと思うが、ここはホッカイドウ競馬からの発表を待ちたい。
(文=ひだか応援隊)