神戸新聞杯の「2強」をデータから分析(撮影:下野雄規)
昨年はラジオNIKKEI賞から直行した
フィエールマンが菊花賞を勝利。また今年の皐月賞、桜花賞も直行ローテの
サートゥルナーリア、
グランアレグリアが勝利したように、競馬界全体の流れとして
ステップレースのあり方が変わってきている感はある。しかし、神戸新聞杯は広い右回りコースで行われるスタミナ必須のレースであるから菊花賞とのつながりは強く、
トライアルとしての重要性は今後も薄れていくことはないはずだ。
1.スタミナは必須
菊花賞での活躍はいわずもがな、他でも今年の日経賞でワンツーした
メイショウテッコンと
エタリオウ、有馬記念などで好走した
レイデオロ、
サトノダイヤモンド、
ゴールドシップなど、ここで好走した馬は古馬になっても2400m以上の距離で活躍するケースが多い。前半スローペースに落ち着きやすいレースではあるが、スタミナは高いレベルで要求される。
2.ダービー出走組優勢
過去10年で前走日本ダービー組が8勝。複勝率も37.8%あり、基本的にダービー組には逆らい難いレースだ。しかし、ダービーで6番人気以下かつ6着以下だった21頭に限れば、馬券に絡んだのは2頭のみ。ダービーで人気するほどの実績、もしくはダービーで好走した実績がない馬は苦戦傾向にある。
3.キャリア8戦以上の馬は割り引き
過去10年の成績をキャリア数別で見てみると、キャリア7戦以下だった馬が[8-8-9-49]で複勝率33.8%に上るのに対し、キャリア8戦以上だった馬は[2-2-1-39]で複勝率11.4%しかない。キャリアの多い馬は割り引いて考えたい。
ヴェロックスは皐月賞2着、日本ダービー3着と異なる適性が求められるGIでいずれも好走。世代屈指の能力を持っていることは間違いない。ダービーではそれ以前の3戦に比べてやや後手に回ってしまったが、少頭数濃厚なここなら確実に先行してくるだろう。距離、コースも全く問題なく、適性面からもここは
サートゥルナーリアより上に取りたい。
サートゥルナーリアはダービーで4着も、内容自体は非常にハイレベル。4連勝時から評価が下がることはない。ただ現状はこなせても、今後は距離適性が2000m付近になる可能性が十分にあり、阪神2400mという条件は歓迎ではないと見る。