「ステイヤーズS・G2」(30日、中山)
鞍上の“確信”を持った好騎乗が光った。6番人気の
モンドインテロが、7歳の11月にしてようやくタイトルを手に入れた。
一度すんなり決まった隊列が目まぐるしく動いた。2周目スタンド前で最後方から
ネイチャーレットが上昇。直後の1角入り口で、今度は
エイシンクリックが叩き返してハナへ。向正面では
オジュウチョウサンがロングスパートをかけた。しかし、ビュイックは頑として3〜4番手で全く動かない。「昨年乗って(3着)長距離への適性を感じたけど、うまく引き出せなかった。スタミナがあるところを生かして、好位の競馬を心掛けた」。3角から追い通しだったが、相棒は脚が鈍ることなく伸び続けた。坂上から先頭をとらえると、外から猛追する
アルバートを3/4馬身退けてゴール。名手がたった一度の経験を、最高の結果へと結び付けた。
当舞台は3度目の挑戦。過去2回はいずれも3着とあって、手塚師も感謝の言葉を寄せる。17年8月の札幌日経オープン以来となる白星に、「昨年乗って、この馬の個性を分かってもらっていたのが良かった。3角からは追いっぱなしだったけど、よく頑張ってくれた。やっと勲章が取れた」と喜んだ。
ただ、激戦の末、引き上げてきた時は右前を少しかばっていた。「上がりが心配。見て来ます」。一度はホッとした顔を引き締めると、トレーナーは足早に厩舎へ向かった。