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デュープロセスが逃げ切り重賞初制覇/兵庫ゴールドT回顧(斎藤修)

2019年12月28日 18:00

デュープロセスが逃げ切って重賞初制覇(撮影:稲葉訓也)

 今のダート短距離路線は混沌としている。2019年だけの成績でいえば、主役候補と言えそうなのは、ともにダートグレードで3勝を挙げたコパノキッキング(根岸S、東京盃、カペラS)、ヤマニンアンプリメ(北海道スプリントC、クラスターC、JBCレディスクラシック)だが、前者はJBCスプリントで2着に敗れ、後者はJBCでは牡馬との対戦を避けてレディスクラシックに回った。この2頭以外、2019年中に1400m以下のダートグレードを複数制する馬はいなかった。

 その混戦の一端を示していたのが、今回のハンデ。例年、JpnI・JBCスプリントの勝ち馬がいれば59kgか59.5kgのハンデとなり、それがいなかった昨年でもマテラスカイが58kgだった。

 しかし今年のトップハンデは57kgでテーオーエナジーノボバカラ。このレース、過去に一度も地方馬が勝っていないという状況でも、今回の中央勢は例年よりレベルが低いという判断だったのだろう(ハンデ戦になったのは2007年から)。それで台頭したのが、重賞未勝利の3歳馬だった。

 “今回のメンバーでは”という但し書きが付くものの、それにしてもデュープロセスは強いレースを見せた。56kgは、馬齢のアローワンスを考えれば実質トップハンデだったともいえる。

 地元では圧倒的なスピードを見せているナチュラリーが抜群のダッシュを見せたが、これを制してハナに立ったのがデュープロセス。逃げるつもりはなかったとのことだが、初めてブリンカーをつけて臨んだということでは、選択肢にはあったのだろう。そして他馬には影をも踏ませぬ逃げ切りとなった。

 2番手集団で追いかけたのはナチュラリーのほか、初ダートのランスオブプラーナに、2歳時に兵庫ジュニアグランプリを制したハヤブサマカオーだが、これらがそれぞれ7着、10着、8着。さらに向正面中間から仕掛けたテーオーエナジーも9着と、早めにデュープロセスを追いかけた馬たちはいずれも着外に沈んだ。

 一方で2着に入ったのは、4コーナー9番手から大外を伸びた地元のイルティモーネ。地元のA級特別では1400mでもなかなか勝ちきれず、さらに距離短縮の1230mでようやく素質を開花させた。とはいえ重賞タイトルはなく、今回は人気薄ゆえ、1400mでも最後の一瞬に賭けたのがハマった。

 3着が高知の10歳馬サクラレグナムテーオーエナジーのあとを追うように進出し、直線半ばではデュープロセスをとらえようかという勢いがあった。

 デュープロセスの勝ちタイム1分27秒4は、過去の勝ちタイムと比べて平凡なもの。タイムの出やすい重馬場だったことを考えるとなおさらだ。昨年4着だったサクラレグナムをものさしにすると、昨年は52kgで、勝ったウインムートから5馬身ほども離されたが、今年は53kgでデュープロセスから1馬身ほどの差。

 たしかに地元で2連勝中と好調ではあったが、さすがに10歳になって前年からの上積みというのは考えにくい。それらのことから、デュープロセスの強い勝ち方に、冒頭で“今回のメンバーでは”という但し書きを付けた。

 2番人気だったノボバカラは中団を追走し、向正面から追い通しでようやく4着。JBCスプリント(4着)のあと放牧を挟み、馬体重+13kgの520kgは生涯最高体重。今回もゲート入りではかなり苦労していたように、そうした影響はあったのだろう。

 残念だったのは最下位のラブバレット。過去3回制している笠松グランプリが、岩手競馬の薬物問題の関係で出走できなくなり、今回は川崎に移籍しての出走。輸送があっての+13kgは本調子ではなかったのだろう。兵庫ゴールドトロフィーでは、2015年が出走取消、16年に4着、そして17年にはあわやの2着があったが、昨年はやはり薬物問題の関連で競走除外。

 昨年来の薬物問題では相当に振り回されたが、それはまったく自身の落ち度ではないだけに不運としか言いようがない。ダートグレードのタイトルに手が届かないまま、年が明けると9歳を迎えるというのがなんとも歯がゆい。

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