【勝負の分かれ目 阪急杯】怪我から復帰した浜中騎手の好リードで、ベストアクターが重賞初勝利

2020年03月01日 19:15

浜中騎手のエスコートにより重賞初制覇を飾ったベストアクター

 戦後初の「無観客重賞」となった第64回阪急杯のゲートが開いた。

 3番ダイアトニック、4番マイスタイル、15番ニシノラッシュの3頭が主導権を争い、結局、ニシノラッシュがハナに立った。

 これら3頭を含む先行集団は9頭。浜中俊が乗るベストアクターは、その2馬身ほど後ろのポケットのようになったところを、内のステルヴィオとともに進む。

「スタートがよくて、理想的なポジショニングでした」と浜中。

 ベストアクターはそのまま中団を進む。4コーナーで外をジョイフルに塞がれる形になると、浜中は迷わず内目に進路を取った。が、前の5頭ほどが壁となっている。

「直線では進路が見つけられればと思っていました。反応がよく、間を割ってくることができました。何とか差し切ってくれ、と思いました」と浜中。

 ラスト200m地点手前で、ベストアクターの前がひらけた。

 先頭はダイアトニッククリノガウディーが2番手。内からフィアーノロマーノが伸びてくる。

 ベストアクターは、馬場の真ん中から、それらをまとめてかわし、オープン初挑戦で重賞制覇をなし遂げた。浜中にとっては、怪我からの復帰週での嬉しい重賞勝ちだった。

 管理する鹿戸雄一調教師はこう話す。

「思っていた以上に強いメンバーになったのに、よく勝ってくれました。浜中騎手が上手く乗ってくれました。去勢してから体調維持ができるようになった。今日も体調がよかったし、スタートが速かったのが大きかったですね。1600mまでは大丈夫だと思っています」

 母ベストロケーションも鹿戸調教師の管理馬だった。

「お母さんのほうが難しい馬でした。今日は、その母ダイナアクトレスの命日なんですってね。この馬も難しいところがあるので、人が少なかったのはよかったかもしれません。去勢してから、本当に強くなりました」

 そう話した鹿戸調教師の管理馬として初めてGIを制したのが、ダイナアクトレスの孫で、ベストアクターの従兄弟にあたるスクリーンヒーローだった。

 ベストアクターはこのあと山元トレセンに放牧に出て、京王杯スプリングカップか安田記念を目指すという。

 なお、2位入線のダイアトニックは、直線でフィアーノロマーノの走行を妨害したため3着に降着となり、フィアーノロマーノが2着に繰り上がった。

(文:島田明宏)

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