私は気象予報士という職業を生かし、季節馬激走予想を行っています。まずレース当日の気温を12度未満の「寒」、12度以上18度未満の「涼」、18度以上25度未満の「暖」、25度以上30度未満の「暑」、30度以上を「酷暑」とした5段階区分けし、配当妙味のある季節馬を特定。
さらにJRAの馬場発表をもとに馬場状態を解析、分類します。それらの独自情報を活用し、それぞれの気候・馬場に合った穴馬を抽出。ここでは、過去10年の気候成績から激走馬の傾向を分析。当日気候レベルを想定し、激走が期待できる馬を抽出しました。
【ポイントは涼〜寒の時期での活躍と、同距離での重賞実績】
大阪杯の前哨戦として、3月開催に移行されて4年目の金鯱賞。17年は7番人気のロードヴァンドールが2着、13番人気のスズカデヴィアスが3着に入り、3連単192,050円の高配当になるなど、波乱も期待できるレースです。ここでは3月開催となった2017年からの3年間に加え、同条件の2012年〜2016年の中日新聞杯の結果も含めた計8年間の気候成績から、激走が期待できる馬を抽出していきます。
過去8年の人気別成績を見てみると、1番人気は3勝を含む4連対、複勝率75%と信頼度は高め。17年以降は馬券内を外したことはありません。一方で、激走馬は8年間で9頭と、1年に1〜2頭のペースで出現しています。1番人気とともに、馬券に絡んでくる激走馬には注目しておきたいところです。
続いて、注目ポイントを挙げていくと2つあります。まずは、「激走馬9頭中8頭が気候が“寒〜涼”で3勝以上」という点です。12年に2着したダンツホウテイ(9人気)は寒〜涼で4勝、14年に10番人気で勝ったマーティンボロも3勝していました。
近年も前述した2017年の例でいえば、7番人気2着のロードヴァンドールは3勝をあげていましたし、13番人気で3着に突っ込んだスズカデヴィアスは4勝をマークしていました。また、「激走馬9頭中4頭が、芝2000m以上の重賞で連対実績がある」点も見逃せません。
以上、「気候が“寒〜涼”で2勝以上の馬」「芝2000m以上の重賞で連対実績のある馬」という観点から浮上してきた注目馬がラストドラフト、ギベオン、サトノガーネットになります。
とくにラストドラフトは気候が寒〜涼の時期に好走が集中しており([2・1・1・2])、寒くなっての連続好走、冬馬らしい戦績といえそうです。冬に逆戻りの当日の気候もプラスです。前走は故障馬の影響を受けての3着ですから、中日新聞杯2着の舞台に戻って楽しみです。
(文=三宅誠)