平坦コースならマイルでも期待したいフィアーノロマーノ(撮影:下野雄規)
12年に阪神最終週から京都開幕週に移動してきた、古馬のマイル戦としては数少ないGII。昨年はここをステップにしたインディチャンプが安田記念を制したように、GIを見据える上で注目の一戦となる。ただし、平坦コースの開幕週ということで、本番と比べて底力が問われにくいという面は否めない。
1.スピードが求められる
京都に移動した12年以降の8年で、前走で1400mに使われていた馬は[2-3-0-7]で複勝率41.7%。対して、前走1600mだった馬は[2-5-8-64]で複勝率19.0%、前走1800m以上だった馬は[4-0-0-19]で複勝率17.4%。母数が違い過ぎて単純比較はできないが、開幕週のスピードレースであるから、短めの距離を走ってきた経験がプラスに働きやすいことは確かだろう。
2.速い上がりが必要
過去5年間で勝ち馬がマークした上がり3ハロンタイムは、昨年から32秒2、33秒2、32秒9、34秒0、32秒9。良馬場ながら雨の影響が残っていた16年を除けば、勝った馬はいずれも33秒前後の非常に速い末脚を使っている。次走で安田記念を勝つことになるインディチャンプが昨年4着と勝ち損ねたように、パワーや底力よりも軽いキレ味が求められる傾向にある。
3.前有利
昨年は逃げ粘ったグァンチャーレが5番人気で2着、17年は2番手追走だったヤングマンパワーが7番人気で3着、16年は3番手追走だったクラレントが11番人気で3着、15年は3番手追走だったレッドアリオンが8番人気で1着となり、逃げたサンライズメジャーが5番人気で2着。前々で立ち回った馬の多くが人気以上の活躍をしている。
フィアーノロマーノはここ2走の阪神Cと阪急杯での2着が示す通り、現状は1400mがベストだろうが、底力の問われにくい開幕週の平坦ならばマイルも今でも十分にこなせると見る。過去には京都1400mで32秒9という上がり3ハロンをマークした経験もあり、ある程度速い上がりにも対応は可能だ。