無敗馬2頭とGI馬1頭を含む18頭が、第25回NHKマイルカップのゲートを飛び出した。
出遅れたシャチ以外は、ほぼ横並びのスタートを切った。
大方の予想どおり、クリストフ・ルメールのレシステンシアがハナに立った。その外からミルコ・デムーロのラウダシオンが上がってきて、レシステンシアと並走する形になった。これがテン乗りだったデムーロはこう振り返る。
「何回も映像を見たところ、いつもスタートを出ますし、今回も1600mですけど、いいところにつけたいと思っていました」
ほかの有力どころを見ると、タイセイビジョンはこれら2頭を2馬身ほど前に見る好位につけ、サトノインプレッサとルフトシュトロームの無敗馬2頭は後方に待機している。
向正面半ば過ぎからレシステンシアが再び単独で先頭を走る形になった。ラウダシオンは1馬身ほど離れたやや外の2番手。先頭から最後方までは10馬身から11馬身ほどか。
前半800mは46秒0。後半800mは46秒5だから、数字のうえではやや速い流れになったが、先行勢はみな手応えがいい。
レシステンシアが先頭のまま直線に入った。
ラウダシオンが外から並びかける。レシステンシアとラウダシオンが馬体を併せ、どちらも持ったままでラスト400m地点を通過した。
ラスト200m手前で、デムーロとルメールのアクションが大きくなった。ラウダシオンがじわじわと前に出て、レシステンシアとの差をひろげていく。やはり、牝牡が併せる形になると、牝馬は気押されてしまうのか。
「これはイケるかなと思って、最後まで差し切れそうな気持ちがありました」とデムーロ。
デムーロの叱咤に応えたラウダシオンが、2着のレシステンシアを1馬身半突き放し、先頭でゴールを駆け抜けた。
「今日の馬場はあまり後ろから伸びなかった。この馬はいつもスタートから最後まで同じペースで行くので、前目で考えていました」
そう話したデムーロは昨年のアドマイヤマーズにつづく連覇。ラウダシオンは重賞初勝利が嬉しいGI制覇となった。
(文:島田明宏)