5月14日、園田競馬場で行われる重賞・のじぎく賞(1700m)。世代別牝馬重賞シリーズ「グランダム・ジャパン」3歳シーズンの一戦でもあり、地方全国交流重賞に門別から1頭、大井2頭、船橋1頭、名古屋1頭の遠征馬を迎えてフルゲート12頭で行われる。
中心は何といっても重賞4連勝中の地元馬ステラモナーク。逃げるようになってからの強さが光る。しかも、3走前・園田ユースCの勝ちタイム(1400mで1分27秒2)は翌日の古馬重賞・園田ウインターCより0.2秒速かった。スタートから終始、自ら速いラップを刻んでの圧勝劇はサイレンススズカの姿と重なる部分がある。
しかし、そんな最強の逃げ馬・ステラモナークにも今回は不安要素が。それは枠順と展開だ。先述したように、逃げて強いのがステラモナーク。万が一、他馬から強烈なマークで逃げられずスローペースに落とされれば、いくら最強の逃げ馬と言えど厳しい展開。のじぎく賞では1番枠にスタートの速いテーオーブルベリーが入った。園田1700mはスタートから最初のコーナーまでの距離が長くはなく、5番枠のステラモナークに対し、テーオーブルベリーが内外の差を生かして先手を取る可能性もある。それでも、ステラモナークは2番手からでも速いラップを刻められれば自分の形に持ち込めそうだが、すぐ外のジェネラルエリアにピッタリとマークされると、そうもいかないかもしれない。とにかく、実力とスピードは抜けているだけに、自分の形に持ち込めるかが最大の鍵となるだろう。
逃げ候補の1頭、テーオーブルベリー(大井)は前走・東京プリンセス賞(1800m)は距離が長かった印象。しかし、2走前は桜花賞(浦和1600m)で勝ち馬アクアリーブルと併せ馬の形で抜け出し、3/4馬身競り負けたものの2着。小回りでコーナーのたびにペースが緩みやすいコースなら1600m前後は守備範囲なのだろう。今回も小回りで、向正面スタートから1周半するコース。1700mではあるが、ギリギリ距離がもって馬券圏内に入りそう。
ジェネラルエリア(名古屋)は強豪との対戦経験が浅いものの、侮れない1頭。テーオーブルベリーがバテて、ステラモナークも自分の形に持ち込めず…となった時、好位から脚を伸ばしてきそうだ。前走・東海クイーンCも逃げ馬有利の馬場で3着に健闘。真ん中の枠が当たったことで競馬もしやすいだろうし、鞍上の加藤聡一騎手は当日、のじぎく賞までに3鞍のエキストラ騎乗があるので、馬場傾向も把握できそう。
ルナクレア(門別)は昨秋、重賞・フローラルカップでミステリーベルンの5着。4コーナーでは外に押される不利がありながらも、勝ち馬から0.3秒の僅差だった。今シーズンひと叩きしての参戦で、上積みがありそう。
ドバイキャンドルは今年に入って重賞で2着、3着。有力馬に逃げ・先行タイプが揃ったため、前走・菊水賞のようにしまいを伸ばして上位に食い込む可能性もある。
取捨に悩むのは4連勝中のユウキラフェール。連勝の勢いはあるが、一線級とのレースはこれが初めてで、これまでに比べて道中のペースが一気に速くなる今回、いきなりは厳しいかもしれない。
どの馬が逃げるのかにも注目ののじぎく賞は5月14日園田11R、16時15分発走予定。
(文:大恵陽子)