3地区交流のスプリント重賞だが、それぞれ各地区とも短距離路線の実力は拮抗しているだけに、何が優勝してもおかしくない(写真はイメージ)
東海、北陸、近畿地区による1400mの交流重賞・金沢スプリントC。以前は9月に行われていたが、施行時期を7月に、名称をオータムスプリントCから金沢スプリントCに変更して今年で8回目。過去7回の勝ち星は兵庫3勝、金沢2勝、笠松2勝となっており、1番人気は[4-1-1-1]と高い連対率を示している。
地元の期待を背負っての出走はジャーニーマン。南関東オープンから転入後はワンサイドの競馬で連勝。経験の少ない1400mの前走でも、直線なかばからは流して1分29秒台。1分28秒台で決着することが多いこのレースであっても、重めを叩きつつ、さらなるパフォーマンス向上が見込めるジャーニーマンにとって、時計的には十分に間に合う。
ナリタミニスターは、兵庫13勝のうち12勝を1400mで挙げているこの距離のスペシャリスト。昨秋A1に昇級してからも適距離ではほぼ崩れのない成績で、近2走に至っては58キロを背負いながら押し切る強い勝ちっぷり。先行馬揃いの内枠をどう捌くかがポイントになりそうだが、馬場が渋るようなら最大級の警戒が必要になる。
エイシンデジタルは8月の地元重賞と両睨みだったが、距離に魅力を感じて遠征に踏み切った。前走は前が止まらぬ高速馬場で道中内ピッタリを回る1-2着馬に対してこちらは終始中団の外では不発も仕方なし。名古屋のマイル争覇4着にしても展開負けの印象が強かったが、今季金沢は差し馬の好走が目立つタフな馬場状態。先行激化も避けられぬ顔ぶれとくれば、この馬の決め脚が存分に発揮される場面は十分にあり得る。
笠松から遠征のタイセイエクレールは中央で5勝のうち1400mで4勝を挙げる実績馬。昨年門別に転入したが1000mのスプリント重賞でメイショウアイアンから0秒2差3着などの好走があり、ここでも戴冠が狙える有力候補の1頭。笠松初戦の前走2着の敗因が休み明けの影響大だったと仮定するなら、2走目の今回で走りが一変する可能性あり。レースは7月21日(火)17時10分発走だ。
(文=金沢競馬専門紙「キンキ」編集長・中川貴雄)