04年のマーメイドSで母娘制覇を成し遂げたアドマイヤグルーヴ(C)netkeiba
夏の阪神開催の名物重賞だったマーメイドSだが、残念ながら昨年限りで役目を終えることとなった。ここでは母娘制覇を果たしたエアグルーヴとアドマイヤグルーヴの2頭を紹介したい。
エアグルーヴは父トニービン、母ダイナカール、母の父ノーザンテーストの血統。83年のオークスを制した母の4番仔だった。96年のオークスで母娘制覇を達成すると、97年にはマーメイドS、そして天皇賞(秋)を制覇。その後も牡馬相手に古馬の王道を歩み、平成を代表する名牝として名を馳せた。
そしてエアグルーヴの初仔として生を受けたのがアドマイヤグルーヴだ。父は名種牡馬のサンデーサイレンス。00年のセレクトセール当歳では2億3000万円(税抜)の高値で取引され、その評価が間違いではなかったことを競馬場で証明する。惜しくもクラシックは勝てなかったが、03年と04年のエリザベス女王杯を制覇。04年のマーメイドSでは母娘制覇も成し遂げたのだった。
この2頭はともに、競走馬としても繁殖牝馬としても優秀だった。エアグルーヴはアドマイヤグルーヴ以外にもルーラーシップ、フォゲッタブル、グルヴェイグと重賞ウイナーを輩出。グルヴェイグは12年のマーメイドSで母娘制覇と姉妹制覇を同時に達成している。また、アドマイヤグルーヴは15年の牡馬二冠を制したドゥラメンテを送り出した。マーメイドSはなくなったが、この一族から新たな名牝、名馬が登場することを心待ちにしたい。