「小倉２歳Ｓ・Ｇ３」（６日、小倉）

　絶好のチャンスが訪れた。フェニックス賞２着のセレッソフレイムが３日、最終リハで軽快な動きを見せ、順調さをアピールした。騎乗する小牧太騎手（５２）＝栗東・フリー＝は、１５年目黒記念（ヒットザターゲット）以来となるＪＲＡ重賞制覇へ気合十分。節目となるＪＲＡ通算９００勝にもあと“２”と迫っており、メモリアルＶで夏コクを締めくくるつもりだ。

　大好きな小倉で久々の重賞Ｖへ。ベテラン・小牧が闘志を燃やしている。「久しぶりに新馬戦を勝った。重賞も勝ちたいね」。南国２歳王者を目指すのは、新馬戦を快勝し、続くフェニックス賞でも２着に健闘したセレッソフレイム。「大崩れしなさそうな馬。操縦性が良く、どんな競馬でもできる。完成度が高い」とセンスの良さを感じている。

　最終リハは栗東ＤＰで単走。首をグッと下げた重心の低いフォームで、鮮やかな栗毛の馬体が躍動した。５Ｆ６８秒０-３９秒３-１２秒２に、騎乗した荒木助手は「７０-４０（秒）を少し切るぐらいのイメージで。予定通り。直線もしっかりと反応していました」と納得の仕上げに胸を張る。

　新馬戦は重馬場、フェニックス賞は開幕週の高速馬場と、全く異なる芝のコンディションにも柔軟に対応してみせた。荒木助手が「真面目でいつも一生懸命」と話せば、小牧も「最初から馬群の中でも嫌がらなかった」と目を見張る根性娘。最終週で天気も下り坂だが、全力プレーが約束されるのは心強い。

　今夏、小牧は小倉に初めて滞在。「大好きな街。魚がうまいね。２週間滞在したけど、いい時間を過ごせた」と充実感を口にする。最後は重賞Ｖで締めくくりたいところ。「勝てば桜花賞まで続く。勝ったらボクもまだ騎手を辞めずに済むから」と話し、いたずらっぽく笑った。

　「夏男」を自負するベテランの目標はもう一つある。「決めたいね」。節目のＪＲＡ通算９００勝まであと“２”。最高のフィナーレを飾るお膳立ては整った。（デイリースポーツ・松浦孝司）