【スプリンターズS予想】グランアレグリアに不吉なデータ!? 勝負の明暗を分けるのは“消耗戦の経験の有無”/JRAレース展望

2020年10月03日 20:33

これまで消耗戦の経験が皆無のグランアレグリア。過去の傾向からは黄信号が灯った形だが、力は十分に足りるだけに…(写真は19年阪神C時)

 このスプリンターズSについては、拙作・ラップギアを前面に押し出した手法をご紹介してみたいと思います。ラップギアとはラスト4ハロンのラップ区間における、“ラップの増減”のみに着目した競走馬の分類メソッド。ラスト4ハロンをどれだけ加速、もしくは減速したかでレースの質(流れ)を瞬発戦、平坦戦、消耗戦の3つに分類する手法なのですが、今回着目するのは、そのなかでも消耗戦に分類される流れでの成績です。

 ラップギアの定義する消耗戦とは"11秒4-11秒5-11秒9-12秒1"のように、ラスト4ハロンのラップが減速(または同タイム)し続けるレースです。通常は1200m以下の短距離戦で多く見られるラップなのですが、“そういったレースでの好走率”こそがスプリンターズSでのすべてだといっても過言ではないのかもしれません。

 下記のように、GIになって以降(1990年以降)のスプリンターズS勝ち馬は、2000年1着ダイタクヤマト以外すべて、該当年のスプリンターズS前の“ラップギア分類・消耗戦での複勝率”が50%を超えていました。

 1998年に単勝37.6倍で勝ったマイネルラヴや2009年の勝ち馬ローレルゲレイロ(単勝13.8倍)、2011年に単勝11.2倍で勝利したカレンチャンといった人気薄での勝ち馬も含め、外国馬を除く27頭中26頭(96%)がこの要件に該当しているのです(※1999年までは12月開催。2002年と2014年は新潟競馬場開催)。

 ラップギア分類・消耗戦での複勝率50%を超えていた馬と、超えていなかった馬の成績を比較すると、50%以上が282戦[26-24-23-209]で勝率9%だったのに対し、49%以下では148戦[1-6-5-136]で勝率1%にすぎません(※GI昇格の1990年以降、外国馬は除く)。これだけ成績に差があれば、どちらのグループを買うべきかは一目瞭然なのではないでしょうか。

 それを踏まえて、今年のスプリンターズS出走予定馬を同様に分類してみると、気になるのはやはり複勝率0%グランアレグリアの存在になります。同馬はラップギア分類・消耗戦への出走経験自体がゼロなので判断に迷うところではあるのですが、過去のこういった“消耗戦未経験馬”も含めての148戦1勝であることは、理解しておくべきなのかもしれません。

 ちなみに、今年のスプリンターズS出走予定馬のラップギア分類・消耗戦の複勝率を見てみると、消耗戦複勝率50%以上はアウィルアウェイ、エイティーンガール、ダノンスマッシュ、ビアンフェ、ミスターメロディ、モズスーパーフレア、ライトオンキュー、レッドアンシェルの8頭となります。

 49%以下はキングハート、クリノガウディー、グランアレグリア、ダイアトニック、ダイメイフジ、ダイメイプリンセス、メイショウグロッケ、ラブカンプーとなっています。

 闇雲にデータだけを見るのではなく、まずは仮説を立てて、そこから裏付けとしてのデータをリサーチ。ウマい馬券では、ここからさらに踏み込んでスプリンターズSを解析していきます。印ではなく『着眼点の提案』と『面倒な集計の代行』を職責と掲げる、岡村信将の最終結論にぜひご注目ください。
(文=岡村信将)

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