【クイーン賞展望】過去の傾向から振り返る4つの攻略ポイント、注目はサルサディオーネ

2020年12月01日 11:00

各種条件が向きそうなサルサディオーネが有力か(撮影:高橋正和)

 12月3日に第66回クイーン賞(3歳上牝・JpnIII・ダ1800m・1着賞金2100万円)が船橋競馬場で行われる。年末恒例の牝馬の一戦で、1、2着に入った地方馬には来年1月に行われるTCK女王盃の優先出走権が、また、優勝した地方馬は同年3月のエンプレス杯の優先出走権も与えられる。過去10年のデータから、攻略ポイントを見ていくと次の4点が挙げられる。

(1)概ね順当決着
(2)JRA勢主力も
(3)若さが優勢
(4)先行脚質有利

 1番人気[5203]、2番人気[2125]、3番人気[0316]。ひとまず伏兵が勝利した2015年・2019年も、うち2頭が4番人気(ディアマイダーリンクレイジーアクセル)だから大きな波乱とはいいにくい。総じて順当と言えるだろう。ただし、1→2番人気の決着となると、2017年プリンシアコメータアンジュデジールのただ1度だけ。

 JRA=8勝、2着7回、3着4回、断然優勢はイメージ通り。それでも2011年クラーベセクレタ、2019年クレイジーアクセルなど、他ダートグレード競走と比較すれば地方勢が健闘しているレースと言えよう。地方勢といっても南関所属馬だけでなく、2010年には笠松のトウホクビジンが、2012年には高知のアドマイヤインディが、2016年にはホッカイドウのタイムビヨンドがそれぞれ3着に好走している。

 過去10年、馬券になった(1-3着)30頭はすべて3-7歳。いわゆる新女王候補…が活躍する傾向で、中でも3歳馬=4勝、2着2回、3着2回は特筆できる。今回、有力3歳は正直見当たらないが、原則として4-5歳の上昇馬、成長株には注目すべきだろう。

 好走馬20頭(1-2着)のレースぶり(位置取り)は、逃げ=6、先行=5、差し=9。馬場(コース砂状態)の軽重は毎年違うものの、明らかに先行有利の結果が出ている。4コーナー5番手以降からの連対は現実にゼロ。昨年のクレイジーアクセルプリンシアコメータの“行った行った”は、クイーン賞の象徴的な決着となった。

 出走馬で注目したいのはサルサディオーネ。JRA4勝、南関転入後重賞2勝。逃げ一手、いささか単調な反面、明確な勝ちパターンを持っている。船橋千八の能力基準は今冬2月、報知グランプリC完勝で、当時タービランスに1馬身1/2差をつけ終い十分余力があった。コース、距離、展開…今回絶好のお膳立て。トップハンデの55キロも、他馬との比較からはむしろ恵まれた感がある。

 アッシェンプッテルも有力だ。JRA千八-二千4勝。前走太秦S3着も、骨っぽい牡馬相手、直線大外を上がり最速35秒1だから評価できる。バトルプラン×ダンスインザダーク、底力、成長力に優れた血統背景。過去2戦大敗(新潟・東京)の左回り克服が今回テーマか。決め手上位は間違いない。

 パールデューにも注意したい。JRAダート千七-千八3勝、いよいよ軌道に乗ってきた良血4歳。時計と顔ぶれ、現状やや格下感はあっても、素質と勢い、それを補う魅力がある。中距離志向、前々からしぶとい二の脚を使うタイプ。むろん51キロは恵量だ。

(文=日刊競馬・吉川彰彦)

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