デビューから無敗の中央馬デュアリストに注目(撮影:稲葉訓也)
川崎競馬場の1600mで16日、全日本2歳優駿・交流GIが2歳馬14頭によって争われる。人気通りに決まりやすい傾向にあるが、過去10年で地方馬が馬券圏内に入ったのは7回。昨年は1着が地元川崎のヴァケーション、3着にティーズダンク(浦和)と2頭の地方馬が入線して3連単が28万5290円の大波乱となった。今年も混戦が予想されるメンバー。中心は中央馬となりそうだが、地方馬も馬券に絡めておきたい一戦だ。
過去10年で馬券圏内に入った馬の多くが前走重賞で好成績を挙げており、特に兵庫ジュニアグランプリ・交流GII、北海道2歳優駿(現JBC2歳優駿)・交流GIII組が優勢だ。
今年の兵庫ジュニアグランプリを制したのはデュアリスト(JRA)。デビューから3戦3勝の負けなしで、2走前のヤマボウシ賞を7馬身差で圧勝。中京競馬場の2歳1400mのレコードタイムを叩き出した、この世代屈指のスピードホースだ。初の1600m戦となるが、父ミッキーアイルはNHKマイルC・GIを含めてマイル重賞を4勝しており、その血統背景からも克服の可能性は高い。一戦ごとに行きっぷりも良くなっており、2枠2番と絶好の枠を引いた。得意の逃げで、ライバルたちを圧倒する。
北海道から参戦するラッキードリームは、JBC2歳優駿の覇者。同レースを直線でジリジリと脚を伸ばし、迫る後続を振り切る強い競馬で勝利した。道営勢は、この時の2着馬トランセンデンス、鎌倉記念・SIIを制覇したリーチなどハイレベルなメンバーを送り込んでおり目が離せない。
アランバローズ(船橋)はゴールドジュニア・SIII、ハイセイコー記念・SIと重賞連勝。どちらも好時計での勝利で、南関2歳を代表する快速馬だ。これまで逃げて圧勝を続けてきたが、前走では番手に控えて前を見る競馬を展開。3コーナーで早め先頭に立つと、そのまま直線で脚を伸ばす危なげない走りで2つめのタイトルをつかんだ。レース運びに幅が出て、初の1600mも克服と成長一途。南関勢のこのレース2連覇の期待がかかる。
さらに、JRAでダート2連勝中のバクシン、ハイセイコー記念で2着のランリョウオー(浦和)などにも注目だ。
(文=スポーツ報知記者・志賀浩子)