2歳10月のアルテミスS、11月のファンタジーS、12月の阪神ジュベナイルフィリーズから続く牝馬限定重賞。賞金的にクラシックへの出走権を得ている馬は厳寒期のレースを避ける傾向にあるので、やや小粒な感は否めないが、それでも昨年の優勝馬スマイルカナは桜花賞3着。18年のプリモシーンは桜花賞のあとNHKマイルCで5着となり、古馬相手に関屋記念を制している。仕上がりの早さはもちろん、マイル適性が問われるレースだ。
◎シャドウファックスはアルテミスS7着。とはいえ、勝ったソダシをマークするような位置でレースの流れにのり、最後の直線で1度は2番手に上がろうという見せ場十分の内容だった。最後は力尽きたが、キャリア1戦で初めて経験する長い直線コースだったことを考えれば十分に評価できる内容だった。おじにタイガーカフェ(皐月賞2着、弥生賞3着)、フサイチジャンク(皐月賞3着)がいる血統。舞台がデビュー戦を飾った中山に戻り、期待したい。
そのアルテミスSで3着に追い込んだのは○テンハッピーローズ。中山競馬場ではサフラン賞2着がある。レースキャリアを積むごとにレースを覚えてきているような印象で、前走も外々を回りながらしぶとく脚を伸ばしてきた。最後は、この馬を目標に脚をためていた馬にかわされてしまったが悪い内容ではなかった。祖母のプリムローズイヴが英米で重賞に勝ったサンドロップ(英1000ギニー2着、フィリーズマイル2着)の全姉という血統。エピファネイア産駒で将来的にはもう少し距離があった方が良さそうにも見えるが、実績的にはメンバー最右翼だ。
注目は▲オプティミスモ。人気にはなりにくいタイプかもしれないが、早めに抜け出て最後まで我慢したデビュー戦、そしてレコード決着の中で後方から追い込んだファンタジーSはともに内容的に見どころがあった。父リーチザクラウン、母の父ダンスインザダークならば200mの距離延長を味方にできそうだ。
東京の未勝利戦をセンス十分の内容で勝ち上がった△ファインルージュは、おじにザラストロ(新潟2歳S)がいる血統で、仕上がりも早そうだ。△ベッラノーヴァのデビュー戦も400キロに満たない馬体ながら強い内容だった。こちらは祖母がオークス2着ベッラレイアで血統的にも注目だ。つわぶき賞2着でよいスピードを示した△ネクストストーリーは200mの距離延長がポイントになりそうだが、前走を見る限り折り合いに不安はなさそうなので、大きなマイナスにはならないだろう。