JRAによる馬房の清掃が適切に行われておらず 規制薬物に関する大久保龍志調教師への過怠金が取り消し

2021年03月05日 19:35

大久保龍志調教師(撮影:武田明彦)

 2020年7月17日付で大久保龍志調教師に対して課された過怠金30万円の処分について、3月5日付で取り消すことを同日、JRAが発表した。概要は以下の通り。

 2020年7月12日の阪神競馬第4競走に出走したトロイカ(牡3、栗東・大久保龍志厩舎)の検体から規制薬物である消炎・鎮痛剤「ジクロフェナク」が検出され、日本中央競馬会競馬施行規程第147条第14号(開催執務委員の命令・指示違反)により、同馬を管理する大久保龍志調教師に対して過怠金30万円を課した件について、同馬が競走当日に阪神競馬場で使用した馬房を前日に使用していた別の競走馬が、その馬房内で治療のためにジクロフェナクの投与を受けていたことが判明。さらに、規制薬物を競走馬に対して投与した場合、JRAが敷料の交換を含む当該馬房の清掃を行うところ、それが適切に行われていなかったことが併せて判明した。

 その結果、この別の競走馬に投与されたジクロフェナクが何らかの形で馬房内に残留し、翌日にトロイカがこれを摂取したことにより、検体からジクロフェナクが検出された可能性が否定できないことから、大久保龍志調教師への処分を取り消すことが適当と判断された。

 再発防止策としては、競馬場において規制薬物による治療を行った際の、当該馬が使用した敷料の交換を含む馬房の清掃を徹底する。そのために、規制薬物による治療から清掃までの一連の作業の実施状況について、複数の者で確認する二重チェック体制を構築する。また、競走馬から規制薬物の陽性が確認された際に、その原因を特定するために調査するべきチェックリストを再整備する。

【日本中央競馬会理事長・後藤正幸氏のコメント】
「2020年7月12日(日曜)に出走したトロイカ号から規制薬物が検出されたことにつきまして、その後の調査の結果、必要な馬房の清掃を怠った主催者としての過失が判明しました。このため、管理する大久保龍志調教師への処分を取り消すことが適当と判断し、過怠金300,000円の処分を取り消すものであります。

 トロイカ号の管理調教師である大久保龍志調教師、馬主であるゴドルフィン様をはじめ、関係者の皆様に大変なご迷惑をおかけしたことを心よりお詫び申し上げます。

 JRAとしましては、関係役職員への必要な処分を行うとともに、同様の事案の再発防止に努め、お客様および関係者からの信頼回復に努めてまいります」

■規制薬物とは
 規制薬物は治療を目的に施用される薬物であり、競馬法に定められた「禁止薬物」のような競走能力への影響は無く、馬の福祉および事故防止の観点から、その影響下にある馬の出走は禁止されているもの。ジクロフェナクは、消炎・鎮痛効果を目的として一般的に使用される治療薬。

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