葵S以来の重賞制覇を目指すビアンフェ(撮影:高橋正和)
かつて、北海道シリーズの重賞競走といえば函館、札幌の両記念レースと、それぞれの競馬場を舞台にした3歳S(現在の2歳S)、そしてアラブによるセイユウ記念、タマツバキ記念のみだったが、1994年に創設された「札幌スプリントS」をその前身とするレース。
札幌と函館の開催時期が入れ替わったために1997年から「函館スプリントS」と名称変更され、現在では「サマースプリントシリーズ」の第1戦として夏競馬を盛り上げる役割を担っている。今年は開催時期が変更となり、2009年以来2度目となる札幌競馬場で行われる「函館スプリントS」となった。
◎ビアンフェは函館2歳Sの優勝馬。ゲート入りを嫌がった昨年秋のスプリンターズSのあと去勢手術を施され、その初戦となった前走のオーシャンSは0.2秒差3着。超大型馬ゆえに抜群のダッシュ力を誇るわけではないが、スピードと加速力が武器。
函館2歳Sはテンの3ハロンが33秒6で半マイル通過45秒1。2歳馬としては厳しいラップを踏みながら逃げ切り。前走も33秒7→45秒1のラップを踏んで、自身の上がりタイムは34秒9。休み明けを叩かれて、開幕週の馬場を味方に逃げ切りを狙う。
〇カレンモエは京阪杯、そしてオーシャンSの2着馬。オーシャンSでは前記ビアンフェの逃げを2番手でマークし、早めにこれを交わして逃げこみを図ったが、勝ち馬の決め手に屈する格好となった。昨年夏の小倉競馬では時計が出やすい馬場状態だったとはいえ32秒2→43秒6というハイラップを外枠から楽に追走できたスピードと立ち回りのうまさは、小回り競馬場の開幕週では大きな武器になるはずだ。
▲コントラチェックは、オーシャンS優勝馬。逃げ、先行力を武器にフラワーC、そしてターコイズSに勝っているものの、昨年暮れからそのスピードを生かせるスプリント戦に矛先を変えてきた。やはりこの距離でも揉まれずに先行できたほうが良い結果に結びつくのかもしれない。今回はある意味で試金石となりそうだ。今回は前走から1キロ増の55キロ。ただし、前走時480キロの大型牝馬でこの増量が堪えるとは思えない。
△ジャスティンはカペラS優勝馬。ほか2つのダートグレード競走にも勝っている。芝のレースは3歳春の葵S以来となるが、カペラSは33秒2→45秒3という芝なみのラップを楽に追走できていた。力をつけた今なら当時とは違った競馬が期待できるかもしれない。
ニューイヤーSに勝ち、阪急杯2着馬の△ミッキーブリランテも押さえておきたい1頭だ。