今年は昨年2着だったコントレイルや海外からも3頭出走(撮影:下野雄規)
今週は秋のGIクライマックスといってもいいジャパンカップ(GI・東京芝2400m)。
昨年は伝説の一戦。最強牝馬アーモンドアイ&3歳牡馬無敗3冠コントレイル&3歳牝馬無敗3冠デアリングタクトのBIG3の激突となった。あのときの興奮はまだ忘れられないというファンも多いことだろう。
1着だったアーモンドアイは引退。今年は2着だったコントレイルのみが出走となった。一方、今年も3歳ダービー馬シャフリヤールが参戦。ほかにもワグネリアン、マカヒキという過去のダービー馬たち、さらには海外馬からも3頭が逆転を狙っての激突となる。
昨年の状況からは勢力図が一変している今年のジャパンカップ。堅いのか、荒れるのか。いつものように過去10年データから馬券のヒントを探っていこう。
1.近年ジャパンカップは堅くなっている?
昨年の3強激突の結果は、人気馬のワンツースリーで当然ながら配当はガチガチ。3連単でも1340円という穴党殺しの本命サイド決着となった。
昨年ほどではないにせよ、ここ10年の配当だけなら「ジャパンカップは全般的に堅い」という印象になる。馬連で万馬券はたった1度、4番人気ショウナンパンドラ&7番人気ラストインパクトで決まった15年のときだけである。ただこの時も、3着は1番人気のラブリーデイで3連単は5万円台という平凡な配当で終わっている。
3連複で万馬券以上になったのは10年中3回(14・13・11年)のみ。3連単ではさすがに万馬券以上は7回あるが、10万円台以上というのは2回(13・11年)のみなのだ。
その昔は荒れるイメージもあったジャパンカップだが、過去10年では荒れるというより、むしろ堅くなってきている。今年もその傾向は継続するのだろうか?
2.1番人気の信用度は70パーセント?
過去10年で1番人気馬は4勝している。
アーモンドアイが2回(20・18年)、キタサンブラック(16年)とジェンティルドンナ(13年)が1勝ずつ。成績としては【4・1・2・3】で馬券圏内キープ率は70パーセント。つまり軸馬としてはそこそこに信用できるといえる。
ちなみに1番人気が馬券にならなかった年は3回。その3回は、これまでの秋のGIパターンと同じで「1番人気がこないときは2・3番人気が馬券圏内になる」という補完作用が働いている。1番人気を消しだとしても、2・3番人気ともにバッサリいくのは危険。超大穴狙いの馬券は近年では成功していないのだ。
3.海外馬は消しで良いのか?
過去10年、というより過去14年間も馬券になっていない海外馬。
この10年でのべ29頭が参戦。その成績は【0・0・0・29】である。
昨年はウェイトゥパリス1頭のみが参戦していたが、結果は9番人気10着。一昨年は出走もなし。「もはやスピード出る日本の芝では海外馬は用無し」といわれる始末で、存在感はかなり薄くなっている。
やはり衝撃的だったのは、11年に1番人気に支持されたデインドリーム(牝・当時3歳)の凡走だろう。ジャパンカップ前はG1を3連勝。前走では凱旋門賞1着と鳴り物入りでの参戦だったが6着に敗退。その後同馬はキングジョージ6世&クイーンエリザベスSなども勝つので、やはり能力というよりは馬場が合わなかったのだろう。デインドリーム以降、海外馬は良くても6番人気まで。すっかり「日本の馬場では能力あっても走らない」というのが定説化してしまった。
今年はブルーム、グランドグローリー、ジャパンという3頭が参戦。決して能力は低くはないはずだが…。ただ人気がない分、オッズは高いので一発狙いならばアリだろう。
4.やはり主流は前走・天皇賞秋から?
過去10年、馬券圏内30頭中、前走天皇賞秋からというローテの馬は17頭を占める。あまり着順は関係なく、ジャパンカップでは好走傾向が強い。
しかも前走天皇賞秋組が、1頭も馬券に絡まなかったのは16年の1度のみ。そのほかの9年は最低でも1頭は天皇賞秋組が馬券に絡んでいるのだ。
今年、前走天皇賞秋というローテからの馬は5頭。コントレイル(2着)、サンレイポケット(4着)、モズベッロ(13着)、ユーキャンスマイル(9着)、ムイトオブリガード(10着)だ。頼りになる軸馬候補はこのなかにいる?
(netkeiba編集部)