「有馬記念・G1」(26日、中山)
今週の「血学教室」は有馬記念特別版。中山芝2500メートルで輝く血統を探すべく、松浦孝司記者が出走メンバーを精査した。ポイントは“有馬優勝馬配合”、そして名牝
ハイクレアの血。
エフフォーリアや
クロノジェネシスといった今回の有力どころにはもちろん注目だが、
ステラヴェローチェも穴馬として要チェックだ。
「有馬血統を探せ!」というデスクの大号令に従い、過去の出走馬の血統表とにらめっこ。苦難の末、遂に見つけた金脈-。導き出した答えは“ドイツ系繁殖牝馬の直子を狙え!”である。
20年2着の
サラキア(11番人気)は記憶に新しく、さかのぼれば11年2着
エイシンフラッシュ(7番人気)、12年2着
オーシャンブルー(10番人気)もこれに該当。ワクワク感を胸に、21年のメンバーを調べてみると…オイオイ、一頭もおらんやん!
てなワケで、調査は振り出しに-。まずはシンプルに、有馬記念に関わりのある血統から探ってみた。分かりやすいのは、父が優勝馬の
アサマノイタズラに
ウインキートス、
シャドウディーヴァ、
メロディーレーンだが、父系オンリーの
パワーではやや物足りない。
それならばもう一歩踏み込んで、ディープインパクト×シンボリクリスエスの“優勝馬配合”である
アカイイトと
アリストテレス、同じくシンボリクリスエス×ハーツクライの
エフフォーリアの方が血量に深みがある。
ただ、避けて通れないのが、20年の覇者
クロノジェネシスの存在だ。半姉がG1・2勝馬
ノームコア。母系から来る
パワーは十分で、父バゴはその父
ナシュワンが“隠れた名牝”
ハイクレアの孫に当たり、つまりはディープインパクトの近親という間柄。恐らく爆発力の源はここにあり、当然、ラストランでの連覇の期待は大きい。
そこから、穴党のためにもうひとひねり。同じバゴ産駒でも3歳馬の
ステラヴェローチェは、母の父がディープインパクトであり、何と名牝
ハイクレアの4×5という爆発力を秘めたクロスの持ち主だ。牡馬クラシックは3・3・4着と無冠に終わったものの、本格化はこれから。
グランプリでの大仕事を機に、大ブレークする可能性は十分にある。クロノとの“バゴ丼”には警戒しておきたい。(デイリースポーツ・松浦孝司)