中山記念に出走予定のウインイクシード(撮影:下野雄規)
GIフェブラリーSが終わり、開催は東京から中山へ。
今週の重賞は日曜日に二つ。芝の中距離GII・中山記念(中山芝1800m)と、阪神で芝の短距離戦GIII・阪急杯(阪神芝1400m)が開催される。
寒くて雨の降った先週末の競馬から一転。かなり暖かくなるという予報もある日曜日。馬場は良馬場でいけそうだ。いつものように過去10年データから、中山記念にスポットを当てて馬券の傾向を探っていこう。
1 1番人気より2・3番人気のほうが信用度高い?
まずは1番人気馬の成績チェックから。
中山記念では過去10年で1番人気馬は3勝している。となると馬券圏内キープ率も高いような感じもするが、2・3着には一度もなっていない。成績としては【3・0・0・7】。勝つか馬券圏外かの極端な成績となっている。狙うなら1着付け、疑ってかかるならば馬券からバッサリという極端な攻め方が良いのかも…?
だが1番人気がこなかった年は、かわりに2・3番人気が馬券圏内になっている。上位人気の補完作用は働いているわけだ。ちなみに、2番人気成績は【3・2・2・3】。3番人気成績は【3・1・1・5】。1番人気よりも2・3番人気のほうが好成績なのだ。
2 配当傾向は1番人気の行方にかかっている?
項目1で指摘したように、1〜3番人気馬だけで過去10年で9勝もしている。例外の1回は5番人気のウインブライトが勝った19年のみ。つまり1着の頭に人気薄というパターンは過去10年では出ていない。
というわけで、馬連は堅めの傾向にある。馬連では20倍以下に収まっている年が10年で6回。万馬券は3番人気と8番人気で決まった17年の1度のみ。堅かった分、今年爆発するという張り方もあるが、データからは馬連で大きく狙うのは得策じゃないようだ。
3連複・3連単もほかの重賞に比べれば堅めの傾向にある。3連複でもっとも荒れているのがやはり17年の5万円台。万馬券はほかに1回だけ(12年)。3連単も同じく17年の30万円台が最大値。他の9年は10万円台には届いていない。
3 とにかく再好走傾向の強いコース?
先週のフェブラリーSもそうだったが、過去に好走経験がある馬が再び走るという傾向が強いのがこの中山記念。
古くは4年の間をあけて再び勝っているローエングリン(03・07年1着、04年3着)。連勝タイプとしてはバランスオブゲーム(03年2着、05・06年1着)、カンパニー(08・09年1着)、ウインブライト(18・19年1着)などがいる。このほかにも2年連続2着というラッキーライラック(19・20年2着)など、複数回馬券圏内になっている馬たちはほかにも多い。
今年、昨年の上位からは3着だったウインイクシードが出走予定なので一応はチェックしておきたい。
ちなみに枠番による有利不利は顕著ではなく、ほぼ満遍なくどの枠も馬券になっている。ただ2枠と6枠から勝馬は出ていない。
一方、顕著なのは関東馬優勢ということ。これまで10年で9勝。ジャスタウェイの勝っている14年以外はすべて関東馬が勝っている。特に堀厩舎が3勝(ドゥラメンテ・ネオリアリズム・ヒシイグアス)、畠山吉厩舎が2勝(ウインブライト2回)。関東馬が3着までに入らなかった年はない。
今年は堀厩舎からルフトシュトロームが出走。ほかの関東勢でいえば藤沢和厩舎がコントラチェック。レッドサイオン、ゴーフォザサミットの3頭出しというのは気になるが…。
4 前走金杯組以外の1着馬には共通点がある?
昨年は1〜3着までがすべて中山金杯&京都金杯出走の馬で占められていた。しかも1着は中山金杯1着ヒシイグアス、2着が京都金杯1着ケイデンスコールだった。ほかの年も前走金杯組というのは上位にくることは多い。しかし今年の金杯組は先ほども名前を挙げたウインイクシード1頭のみ。ほかにも狙い目を探っておかないとならないようだ。
だが、過去10年、中山記念1着馬で「前走金杯組以外」の馬には共通点がある。
それはすべて前走がGI戦出走馬だったということ。さらに絞れば「中山記念で3番人気以内になっている前走GI馬」が勝っているのだ。
今年のメンバーで「前走GI」なのは、ダノンザキッド、パンサラッサ、ワールドリバイバルの3頭だけ。このなかから上位3番人気に入る馬はかなり有力になってくるだろう。
(netkeiba編集部)