秋華賞優勝馬アカイトリノムスメに注目(撮影:下野雄規)
優勝馬にはヴィクトリアマイルへの優先出走権が与えられる重要なステップレース。本レースの距離が1600mになってからの6年間で、このレースをステップにヴィクトリアマイルへと挑んだ馬は延べ47頭いて、1着3頭2着3頭3着4頭。ただし、優勝馬に限れば一昨年2着のサウンドキアラが最高着順だ。
それでも、牝馬限定の別定重量GII戦。実力馬有利の一戦だ。
◎アカイトリノムスメは阪神コースで行われた秋華賞優勝馬。オークス2着で、桜花賞は4着。ベストディスタンスに関しては、いまだにはっきりしないところがあるが、東京マイルでクイーンC含め3勝なら苦手ということはないはずで、桜花賞もレコードで駆け抜けたソダシから0.2秒差4着なら悪くない。初めて背負う56キロに一抹の不安もあるが、中心としたい。
〇デゼルは昨年の覇者。ヴィクトリアマイルは4番人気で0.9秒差8着だったとはいえ2着馬とは0.2秒差。デビュー以来、長めの距離を使われてきた馬だがマイル適性を示した一戦でもあった。秋シーズンはややスランプに陥ったような成績だったが、使われるごとに内容が良くなってきており、このメンバー相手なら軽視はできない。母アヴニールセルタンは仏オークスも勝っているが、仏1000ギニーの勝ち馬でもある。0.5キロとはいえ、前走から斤量が軽くなるのもプラス材料だ。
▲マジックキャッスルは昨年の2着馬で、ヴィクトリアマイル3着。鋭い決め手を持つ馬で対デゼルでは5度の顔合わせで3度先着を果たしている。前走の愛知杯ではこちらが56キロのハンデだったのに対してデゼルは55.5キロ。今回は逆に1キロもらったとなれば逆転も十分だろう。
条件戦を3連勝して重賞4着を2度続けている△ジェラルディーナは、そろそろオープン級のペースにも慣れてくる頃で、△アンドヴァラナウトも秋華賞3着の実績と、その血統的背景から見限れない存在だ。