デビューに向けて調整続くフェイト(写真中央の緑ゼッケン、7月27日撮影:井内利彰)
夏の新潟開催2週目。昨年は函館との2場開催。新馬戦、芝1800mの番組は4日目の日曜日に行われたが、ここで2着したのがスターズオンアース(美浦・高柳瑞樹厩舎)。デビュー勝ちはできなかったものの、10月の東京開催で未勝利を勝つと、その後は重賞で堅実な成績を残しながら、桜花賞とオークスでGIを連勝。今秋は三冠の期待がかかるだけに、今年の2週目新潟芝1800mでも来春に向けた大物が出てくるか、注目してみたい。
【8月6日(土) 新潟芝1800m】
◆フェイト(牡、父リアルスティール、母サンタフェチーフ、栗東・矢作芳人厩舎)
2021年セレクトセール1歳にて、1億6000万円で落札されたリアルスティール産駒。父は現役時代に同厩舎で管理されており、本馬が最初に栗東へ入厩してきた時に矢作芳人調教師に取材した際「リアルスティールの産駒はたくさん見せていただいたが、この馬が一番だと思った」という言葉が出たくらい。
ゲート試験合格後は一旦放牧へ出て、7月にあらためての入厩。7月27日のCWでの3頭併せでは、レースで騎乗予定の福永祐一騎手が跨り、真ん中に位置。先行していたダノンファラオが手応えに余裕なく4コーナーを回る、速めのラップを踏んでいたが、それに戸惑うことなく追走して、ゴール前は完全に手応えで相手を上回った。最後の直線は11.7秒、11.7秒の持続ラップだったが、相手が動けばもっとラップは詰まったはず。追い切り本数は決して多くないが、1週前追い切りの動きの質は高い。
【8月6日(土) 新潟芝1600m(牝)】
◆ビップクロエ(牝、父シルバーステート、母カリズマティックゴールド、栗東・松下武士厩舎)
2021年セレクトセール1歳にて、4000万円で落札されたシルバーステート産駒。母系には2015年小倉記念で重賞を制したアズマシャトル(父ゼンノロブロイ)がいる血統だが「牧場での評価が高かった馬ですが、こちらへ入厩してからも乗り味はいいみたいですね」と松下武士調教師。
7月27日のCWではレースでも騎乗予定の和田竜二騎手が跨り、前に3歳未勝利が先行する形。前との差がかなりあったので、追いつくまでが大変だったと思うが、4コーナーでの速いラップにもきっちり対応して、最後は相手に食らいつく形。ラストは11.9秒要したが、6Fは81.3秒。いい負荷をかけることができたし、この追い切りで中身が出来てくるはず。
◆スマートミラージュ(牝、父ハービンジャー、母ショウナンアクト、栗東・音無秀孝厩舎)
半姉にはダートで5勝を挙げたスマートレイチェル(父キングカメハメハ)がいる。きょうだいはダートで活躍する馬が多いが、父がハービンジャーになって、どんなタイプに出るのか楽しみなところ。
7月20日の坂路では4F52.5秒をマークしていたが、この時はラスト1Fが13.0秒と時計を要していた。しかし、7月28日の坂路では2F24.8秒、1F12.4秒で終いがしっかりした動き。週を追うごとに動きが良くなっている印象があるだけに、最終追い切りでどんな動きを見せるか注目してみたい。
【8月7日(日) 新潟芝1600m】
◆エスペランサフラグ(牝、父Point of Entry、母プレイスオブアーナー、栗東・中竹和也厩舎)
日本で活躍するPoint of Entry産駒といえば、今年の京都牝馬Sで重賞2勝目を挙げ、高松宮記念ではクビ差の2着だったロータスランド(栗東・辻野泰之厩舎)がいる。本馬については「アメリカ産まれらしく、完成度の高そうな馬。牝馬でもふっくらした体つき。ここまで追い切りも順調に消化しています」と中竹和也調教師。
7月27日にエメイヴェイモンと坂路で併せ馬。4F53.2秒をマークするも、ゴール前では相手に遅れてしまい、ラストも13.2秒を要した。ただ、これが初めて一杯に追われての追い切りだったことを思えば仕方ないところ。このひと追いで変わってきそうな印象もある。
(取材・文:井内利彰)