サンデーTC

三連単131万円の大波乱 怪物を3馬身薙ぎ払ったオーロマイスター/2010年マイルCS南部杯プレイバック

2022年10月09日 21:30

2010年の南部杯を制したオーロマイスター(撮影:高橋正和)

 10月10日に盛岡競馬場で行われるマイルCS南部杯(3歳上・JpnI・ダ1600m)。かつてトウケイニセイ、ユートピア、ブルーコンコルドやベストウォーリア、コパノリッキーなどが制しているリピーターレースであり、例年実績に伴う人気サイドでの決着となるため波乱事例は少ない。

 しかし2010年のマイルCS南部杯は例外的に三連単131万円の大波乱となった。勝ち馬の名はオーロマイスター。当時G1級競走5連勝中で米国遠征を控えていた、単勝1.0倍の『怪物』エスポワールシチーを3馬身突き放しての快勝だった。

 オーロマイスターは父ゴールドアリュール、母フェアリーワルツ、母の父Lear Fanという血統。

 2007年11月に東京競馬場で行われた2歳新馬戦(芝1800m)でデビューし、初陣を白星で飾った。→4歳時の5月まで芝のレースに出走し2勝を挙げ、以降ダート路線に転向すると戦績が安定、2010年1月にオープン戦初勝利を飾った。同年のエルムSで2着となり、迎えた南部杯本番では4番手の評価だったが、同期のスターホース・エスポワールシチーが単勝1.0倍の支持を受けていたこともあり、オーロマイスターの単勝オッズは20.2倍となっていた。

 レース本番、これまで安定した先行力で勝ち星を重ねてきたエスポワールシチーに対し、オーロマイスターは外枠から勢いよく先手を主張。そこにセレスハントが加わっての先行争いとなった。セレスハントが脱落するなか、オーロマイスターは勢いよく抜け出してコーナーを回り、そこにエスポワールシチーが襲い掛かる。しかしオーロマイスターはそこからさらに二の脚を発揮し、最速の上がり3Fタイムを繰り出し、見事1着でゴール板に飛び込んだ。

 またこのレースにはもう1頭、波乱の立役者がいる。高知競馬所属だったグランシュヴァリエである。父タヤスツヨシ、母ラストキッス、母の父マルゼンスキーという血統。2008年2月にJRA所属馬としてデビューし、中央で3勝を挙げたものの故障を発生、高知に移籍することとなった。

 その後、高知所属馬として各地を転戦。帝王賞やブリーダーズGC、日本テレビ盃などに出走した。マイルCS南部杯では単勝636.3倍という人気薄ながらレース序盤から先団に取りつき、最終直線では一瞬エスポワールシチーとオーロマイスターをかわして先頭に立つシーンもあった。テスタマッタ、メイショウバトラー、バーディバーディなど強豪が揃うなか3着入線を果たし、複勝払戻は3460円となった。

 今年はブルーコンコルド以来の3連覇を狙うアルクトス、フェブラリーSを連覇したカフェファラオ、重賞連勝中のシャマル、19年覇者サンライズノヴァ、兵庫の雄イグナイター、古豪エアスピネルやタイムフライヤーなど錚々たるメンバーが揃った。新たなるドラマの誕生に期待したい。

新着ニュース

ニュースを探す

ご意見・ご要望

本サービスはより高機能なサービスの提供なども検討しております。お気づきの点がございましたらお気軽に下記フォームよりご意見をお願いいたします。

  • ご意見をご記入ください。

頂いたご意見には必ずスタッフが目を通します。個々のご意見に回答できかねますことを予めご了承ください。
また、連続して複数送信されると、受付できないことがあります。予めご了承ください。