10月10日(祝・月)盛岡競馬場で行われるマイルチャンピオンシップ南部杯(3歳上、JpnI、ダ1600m)。岩手競馬最大のレースで、JBCを除くと南関東以外の地方競馬で行われる唯一のダートGI級競走となっている。
『Road to JBC』に指定されており、JBCクラシックまたはJBCスプリントへの優先出走権が付与されるため、秋のマイル王決定戦であると同時にJBCを見据えるうえでも見逃せない一戦となる。
今年はJBC競走が当地・盛岡競馬場での開催とあって、前哨戦としての注目度は俄然高まるところだろう。発走予定日時は10日(祝・月)の18時15分。主な出走馬は以下の通り。
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イグナイター(牡4、兵庫・新子雅司厩舎)
兵庫のトップホースがJpnI初挑戦。南関東転入初戦の京浜盃で2着の実績を残し、同年夏に兵庫へ移籍。条件戦で大差圧勝を重ね、楠賞で重賞初制覇を飾った。今年3月には高知競馬に遠征し、黒船賞を制して待望のダート
グレード初制覇。続くかきつばた記念も勝利してダート
グレードを連勝。地方競馬を代表する馬へと日々成長を遂げている。兵庫所属馬初のJpnI制覇なるか注目だ。
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アルクトス(牡7、美浦・栗田徹厩舎)
南部杯は3年連続連対中と好相性。2019年はJpnI初挑戦でいきなり2着と結果を残し、2020年の当レースでJpnI初制覇。走破タイムの1:32.7はクロフネが保持していた日本レコードを0.6塗り替える驚異的なタイムだった。2021年も不良馬場を味方に付けて史上6頭目の連覇。今年もレース当日は雨が降りそうで、馬場が渋って
スピードが活きる馬場になれば史上2頭目の3連覇も。
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シャマル(牡4、栗東・松下武士厩舎)
今年に入ってダート
グレード3勝の大活躍。4月のなにわSを勝ってOP入りすると、中2週で挑んだ東京スプリントで重賞初制覇。さきたま杯は初の1400mと一周競馬に対応し3着に好走すると、続くサマーチャンピオンでは前走での経験活かして快勝。9月のオーバルスプリントではさきたま杯で先着を許した
ティーズダンクに雪辱を果たし重賞3勝目を飾っている。初のマイルへの対応は鍵になるが、近走の充実ぶりからは期待が大きい。
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カフェファラオ(牡5、美浦・堀宣行厩舎)
フェブラリーS連覇を飾った上半期のダートマイル王。デビューから3連勝でユニコーンSを制し、秋には
シリウスSで古馬撃破。昨年2月のフェブラリーSでGI初制覇を飾った。その後は函館記念で芝にも挑戦したが、ダートに戻り今年のフェブラリーSで史上2頭目の連覇達成。地方競馬の馬場への対応は鍵になるが、4戦4勝を誇る東京ダート1600mと同じワンターンの盛岡1600mなら期待十分。
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ヴァケーション(牡5、岩手・畠山信一厩舎)
20年ぶりの悲願に挑む岩手競馬の総大将。川崎競馬でデビューし全日本2歳優駿を制すなど活躍。今年の春に岩手競馬へ移籍し、シアンモア記念で1年半ぶりの勝利を挙げると、7月のマーキュリーCでは単勝228倍の伏兵評価を覆して3着に激走。JRA勢相手にもヒケを取らない走りを見せている。
イグナイターと同じく南部杯3勝の実績持つ
エスポワールシチーの産駒だけに血統面からも期待。2002年トーホウエンペラー以来の地元馬勝利に期待が懸かる。
その他にも重賞で好走続ける
ソリストサンダー(牡7、栗東・高柳大輔厩舎)、2017年にホープフルSを制した
タイムフライヤー(牡8、大井・村上頼章厩舎)、安定した成績を残している
ヘリオス(セ6、栗東・寺島良厩舎)などが出走する。GI/JpnI馬5頭が集った豪華な一戦に注目だ。