「菊花賞・G1」(23日、阪神)
トライアルの神戸新聞杯を
ジャスティンパレスで、セントライト記念を
ガイアフォースで制し、これ以上ない2頭出しで牡馬クラシック最後の1冠に臨む杉山晴紀調教師(40)=栗東。自身が調教師を目指すきっかけとなった、思い入れの深い菊の舞台で、見事な大輪を咲かせることができるか-。以下はインタビュー内容。
◇ ◇
-いよいよ菊花賞。このレースには思い入れがあるとか。
「競馬の世界に入るきっかけが、ユタカさんが勝ったダンスインザダーク(96年)の菊花賞なんです。あのレースを見て、大きな影響を受けました」
-調教助手時代には09年にスリーロールスで制した。
「調教師を目指すきっかけも菊花賞でした。自分が調教に携わったロールスで勝てたことは、大きな動機の一つになりました」
(続けて)
「自分の人生の中で、どこかで菊花賞というレースが縁としてありますね。決して狙いに行っているわけではありませんが、たまたま人生のターニングポイントに菊花賞というレースがある、というのは感じています」
-調教師として初めて挑んだ21年は
アリーヴォで7着。22年は有力2頭での参戦となる。
ガイアフォースは秋初戦のセントライト記念で、春の実績馬を破った。
「この馬の良さは、速い
スピードを長く持続できること。瞬間的なトップ
スピードは今まで見せていませんが、他の馬よりも
スピードの持続力が持つタイプだと思います」
-状態面については。
「
トライアルを使わせてもらったので、そんなに追い込む必要はないと思いつつ、次はG1ですし、男馬ですから、1週前はそれなりに負荷をかけました。動きは申し分なかったですし、ちょうどいい負荷がかかったと思います。(松山)ジョッキーも“前回と動きは変わらない”と。レース間隔も詰まっているので、変わらないのが一番です」
-舞台は阪神芝3000メートル。
「正直やってみないと分かりませんが、何とか力でこなしてくれないか。折り合いは大丈夫。こなしてくれるとは思っています」
-一方、
ジャスティンパレスは神戸新聞杯を制して本番へ。
「(鮫島駿)ジョッキーの“勝つ”という強い意志が伝わってきましたね。当日のコースのバイアスを見極めて、うまく乗ってくれたと思います」
-ダービー9着以来の実戦だった。
「ひと夏越して、すごく成長してくれましたね。レースを使った後の馬体の張りや、パンプアップした姿を見て、春との違いを感じます。今まではそう思うことがありませんでしたから」
-中間の気配は。
「結構
テンションの高い馬ですが、1週前は坂路を非常にゆったりと入って、しまいも無理せず12秒1。ようやく“こうなってほしい”という感じになってきています」
-大一番への意気込みを。
「距離はやってみないことには分かりませんが、血統背景から兄姉は長いところで活躍していますから、こなせる下地はあると思っています。何より、成長を感じますし、今の出来の良さと上積みに期待しています」