◆第42回マイルCS・G1(11月23日、京都競馬場・芝1600メートル)
第42回マイルCS(23日、京都)は、安田記念覇者と昨年の覇者のマイル王2頭が激突する。史上9頭目となる同一年の春秋マイルG1制覇が懸かる
ジャンタルマンタルは、秋2戦目ですでに万全の仕上がりを誇る。迎え撃つ
ソウルラッシュも骨折明けを叩き、上昇一途。春にドバイで香港の強豪を倒した当時の鞍上、クリスチャン・デムーロ騎手を背に、史上7頭目の連覇を狙っている。
もうこれで十分だ。20年
グランアレグリア以来、史上9頭目の同一年春秋マイルG1制覇に挑む
ジャンタルマンタル(牡4歳、栗東・高野友和厩舎、父
パレスマリス)。無駄がなく均整のとれた見事な馬体からは、申し分のない仕上がりの良さが感じられる。高野調教師は「馬が自分の馬体のどこにも不満を持っていない感じ」と表現する。
成功体験を踏襲した形だ。12日の1週前追い切りは、川田将雅騎手が1週前に騎乗した近2走とは異なり、助手を背に栗東・坂路に登場。53秒2―12秒0と全体時計も控えめだ。その理由をトレーナーは「富士Sを使ったことを上手に使おうと。目いっぱいやる必要はないですから」と説明する。
川田騎手は中7週で3歳初戦の共同通信杯、6か月の休み明けだった2走前の安田記念、4か月半の間隔を空けた富士Sで1週前にまたがり、しっかりと負荷をかけてきた。国内のぶっつけでの出走はすべてこのパターンだ。
しかし、今回は前走を使って中4週とこの馬にとっては、ややタイトなローテ。「今回は前哨戦を使っているので。あとは整えるだけでいい」と指揮官は調整の意図を語る。皐月賞3着から中2週でNHKマイルCを制した際と同様に、主戦を乗せずとも、能力を十分に発揮できる仕上げを施している。
キャリア9戦ですでにマイルG13勝。ここを勝てば、史上5頭目のJRA芝1600メートル重賞5勝馬に名を連ねるだけでなく、牡馬が出走可能な同条件のJRA・G14競走の完全制覇となる。「安田記念と遜色ない出来に持っていける。前走とは全く違うと思います」。前例のない大偉業を成し遂げ、新たな歴史を築く。
(山本 理貴)