直線力強く抜け出したオオバンブルマイ(右)=撮影・園田高夫
「京王杯2歳S・G2」(5日、東京)
ゴール前の混戦から抜け出したのは10番人気の伏兵
オオバンブルマイ。新馬戦に続く見事な連勝劇で、重賞タイトルを手に入れた。
好スタートを決めて、道中は4番手の内々で折り合いに専念。抜群の手応えを残して直線を迎えたが、しばらくは前があかずに待たされる形。それでも、ラスト200メートル手前で視界が開けると、鞍上の右ステッキに素早く反応。一瞬の切れ味で前2頭をあっさりかわし去った。初コンビの横山武は「斤量は増える(51キロ→55キロ)けど、新馬戦がいい内容だったので“立ち回り次第では”と思っていた。思った通りの競馬ができました」と、してやったりの表情だ。
21年のエリザベス女王杯覇者
アカイイト(10番人気)のオーナーでも知られる岡浩二氏は、3日のJBC2歳優駿(門別)を
ゴライコウ(9番人気)で制したばかり。「オーナーの強運もありますね」と笑った吉村師。「ジョッキーもうまく乗ってくれました。まだ2戦目でつかめていない部分はありますが、小柄でもセンスのいい馬」と、18年函館記念(
エアアンセム)以来、4年4カ月ぶりの重賞Vを喜んだ。
今後は当然、G1の朝日杯FS(12月18日・阪神)が視野に入る。鞍上が「1F延びるのは未知だけど、小柄でも根性がある」と言えば、トレーナーも「状態次第だが、マイルまではいけそう」とうなずく。大舞台でも、馬券を買ったファンに“大盤振る舞い”となるか-。個性派がスター街道に乗った。