◆第58回京王杯2歳S・G2(11月5日、東京競馬場・芝1400メートル、良)
2歳重賞はともに大波乱の決着! 第58回京王杯2歳S・G2は5日、東京競馬場で行われ、単勝10番人気の
オオバンブルマイ(横山武)が逃げた11番人気の
フロムダスクをかわして1馬身抜け出し、デビュー2連勝で重賞初制覇。3連単はレース史上最高の222万1830円だった。
ターフビ
ジョンに3連単222万1830円の配当が映し出されると、場内から悲鳴にも似たどよめきが起こった。大波乱の主役は、10番人気の
オオバンブルマイ。好位から鋭く抜け出し、2連勝で初のタイトルをゲット。2着に11番人気の
フロムダスク、3着には5番人気の
スピードオブライトが入り、晩秋の府中に季節外れの大花火が上がった。吉村調教師は「ジョッキーはさすが。いいところに収めてくれた」と横山武の騎乗ぶりを手放しで称賛した。
10番枠からスタートを決めると内に誘導し、3番手のインを確保した。直線に入って前2頭が壁になったが、鞍上は焦ることなくそこで脚をためた。残り200メートル手前でようやく外が空くとスッと横に出し、あとは伸びるだけ。低評価をあざ笑うかのように、しっかり脚を伸ばして波乱のゴールに飛び込んだ。
テン乗りの横山武は、前走とうり二つの競馬で大仕事をやってのけ、「新馬戦を見させていただいたけど、立ち回り次第でチャンスはあると思っていた。今回もうまくインを取れればと思っていたので、思った通りの競馬ができた」としてやったりの表情だった。
「1ハロン延長は未知」と鞍上は話すが、当然、朝日杯FS・G1(12月18日、阪神)が視野に入ってくる。「マイルまではと思うが、オーナーと相談して」とトレーナー。ディ
スクリートキャット産駒の快速馬は、大舞台でも「大盤振る舞い」といくか? 今後も目が離せない。(松末 守司)
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オオバンブルマイ 父ディ
スクリートキャット、母ピンクガーベラ(父ディープインパクト)。栗東・吉村圭司厩舎所属の牡2歳。北海道新ひだか町・(株)サンデーヒルズの生産。通算2戦2勝。総獲得賞金は4563万7000円。重賞初勝利。馬主は岡浩二氏。