「
ジャパンC・G1」(27日、東京)
重賞未勝利馬でも侮るなかれ。6歳にして充実期を迎えた
ハーツイストワールが、虎視たんたんと下克上を狙っている。東京は〈3601〉とコース実績抜群で、2400メートルの距離も大歓迎だ。当レース最多タイの2勝を挙げる国枝師と、最多4勝マークの武豊。この最強コンビが実績馬にひと泡吹かせる。
日本馬3頭、外国馬3頭と計6頭のG1馬が参戦してきたが、近況のレース内容から絶対的主役が不在で混戦ムードが漂う22年の
ジャパンC。一つの要素が一気に勝敗を動かす可能性を秘めている。
重賞未勝利と実績では圧倒的に見劣る
ハーツイストワール。それでも敢然と頂上決戦に駒を進めてきた背景には、『舞台適性の高さ』というストロングポイントがある。デビューからここまで、東京コースでは10戦して3勝、2着6回と連対率は90%を誇っている。
前走のアルゼンチン共和国杯も、直線のアク
シデントでブレーキをかけるシーンがあり、スムーズさを欠きながらも2着に入った。国枝師は「東京は実績があるし、今回の距離もいい。北海道(札幌日経オープン)で勝ったけど、(武)ユタカ君も東京の方がスムーズだったと言っていたしね」とうなずく。舞台が東京なら、ジャイアントキリングがあっても決して驚けない。
ここにきて状態面も上向いてきた。以前は背中に疲れが残りやすく、続けてレースを使えない弱みがあったが、そこが改善してきたことに伴って、走りのパフォーマンスが向上。「馬がしっかりしてきたよね」と、トレーナーも6歳馬の進化に目を細める。
相手は一気に強化されるが臆することはない。「チャレンジするにはいいタイミングだと思いますよ」と指揮官は前向きだ。充実期を迎えた今、自身最高の舞台で、最高の輝きを放つ準備はできている。