「有馬記念・G1」(25日、中山)
今週の「血学教室」は有馬記念特別版。中学時代から血統書を読みあさってきた松浦孝司記者が、出走メンバーを精査して勝ち馬候補を絞った。ポイントは“父系に宿るドイツの血”。中でも
ジャパンC覇者
ヴェラアズールに注目だ。前走のごとく馬群を切り裂き、頂点をつかんでみせるか。
21年は
クロノジェネシス&
ステラヴェローチェの“バゴ丼”を推した当コーナーだが、結果は無念の3、4着-。あと一歩のところで涙をのんだ。それでも、血統から導き出した方向性は決して間違いではなかったはず。22年こそはの思いだ!
実は21年、有馬記念的中の金脈としてイチ推ししたのが“ドイツ系繁殖牝馬の直子を狙え!”であった。11年2着
エイシンフラッシュ(7番人気)、12年2着
オーシャンブルー(10番人気)、20年2着
サラキア(11番人気)がこれに該当するが、21年に続いて22年も該当馬はゼロ。しかし、これらの近しいところに金のにおいがプンプンしている。
まず目につくのが
エイシンフラッシュ産駒の
ヴェラアズール。父に比べて奥手に出たが、
ジャパンCで馬群を切り裂いた姿は、まさに10年ダービーで父が見せたそれと同じ。たまった末脚を爆発させる
スタイルは例年、勝負どころから密集する有馬の展開にマッチする。父系に宿るドイツ系の血が騒げば、G1V2フィニッシュの可能性は十分にある。
注目の
イクイノックスは父
キタサンブラック×母父キングヘイローで、昨年2着の
ディープボンドに酷似した配合。中山芝2500メートルをこなせる下地は十分備わっており、走りの軽さはむしろこちらの方が上。混戦を打破できる強力な決め手があるのは心強い限りだ。初参戦の舞台でも好勝負は可能とみる。
馬券的に一発を期待したいのが、冒頭で記したドイツ系の血を脈々と受け継ぐ
ノヴェリスト産駒2騎。特に、アルゼンチン共和国杯で重賞初制覇を果たした
ブレークアップは、牝系にも
エイシンフラッシュの父として知られるキングズベストが入っており、大舞台で戦えるだけの底力が備わっている。充実期を迎えた今なら、大駆けがあっても驚けない。