◆第67回有馬記念・G1(12月25日、中山競馬場・芝2500メートル、良)
第67回有馬記念・G1は25日に中山競馬場の芝2500メートルで16頭によって争われ、1番人気の3歳馬
イクイノックスが直線で抜け出して優勝。クリストフ・ルメール騎手(43)=栗東・フリー=が天皇賞・秋に続くG1連勝へ導いた。自身3度目の“
クリスマス有馬”の勝利をともにつかんだ相棒を「スーパーホース」と評し、来年以降の活躍を誓った。
「
メリークリスマス!
ブラボー、
ブラボー」。
クリスマス決戦に三たび舞い降りたのは「ルメール・サンタ」だった。1番人気の3歳馬
イクイノックスを史上最少キャリアの6戦目での有馬記念を制覇に導き、天皇賞・秋に続く連勝で現役最強馬に堂々と君臨させた。
強さだけが際立った。発馬を決めて中団の外めにポジションを置いた。スローの流れに2、3角を過ぎるとあふれんばかりの
パワーを持て余し、やや行きたがったが、心配はそこだけ。しっかりとなだめクリアし、3、4角では、迫力のス
トライドで早くも前をのみ込みにかかった。残り250メートル過ぎ。満を持して先頭に躍り出ると、もうだれもついてはこられない。2馬身半の決定的な差をつけ、頂点を奪った。
後方から差し切るこれまでとは違った
スタイルでの勝利は、05年ハーツクライで先行してディープインパクトを封じ込めた奇襲作戦を彷彿とさせる好騎乗。鞍上は「スーパーホースに見えましたね。2、3角でハミを取って心配したけど、直線ですごい脚を使ってくれた。彼にとって楽勝でした」と愛馬をたたえた。
有馬記念16度目の挑戦だったルメール。不思議と勝利を挙げるのは、
クリスマス当日の
グランプリ。前述のハーツクライに、16年の
サトノダイヤモンド、そして今年。3度目の
クリスマスG1勝利となった
イクイノックスは天皇賞・秋に続いて古馬を撃破してのG1連勝。年度代表馬の称号をたぐり寄せたか。頂点に近づいたたことで、その姿に重ねるのは、「特別」と話すほど今も惚れ込む同じ勝負服の最強
アーモンドアイ(G19勝)だ。「ウィークポイントはあまりない。もっと良くなってくれば
アーモンドアイに届く。経験も積んだので来年も楽しみ。もちろん海外でもどこでも行けますね」。まだキャリア6戦で4勝、2着2回。来年4歳となる
キタサンブラック産駒に無限の可能性を感じている。(松末 守司)