◆第73回ダイヤモンドS・G3(2月18日、東京競馬場・芝3400メートル、良)
第73回ダイヤモンドS・G3(東京・芝3400メートル)でステイヤーの新星が誕生した。2番人気の
ミクソロジー(西村淳)が、前走に続いてレコード勝ち(3分29秒1)。4連勝で重賞初制覇を達成し、天皇賞・春(4月30日、京都)でのG1初タイトルを目指す。
極上の輝きを秘めた原石が、ついに磨き上げられた。
ミクソロジーはゲート入りこそやや渋ったが、スタート後は落ち着いた走りで中団に待機。徐々にポジションを上げ直線で外に進出すると、グイグイと末脚を伸ばし内で粘る
ヒュミドールを首差かわした。着差以上の完勝と言っていい内容に、西村淳も「直線では『これならば』と思いました。未勝利から乗らせてもらっているけど、馬は本当に成長していますね」と、声を弾ませた。
前走の万葉Sに続いて、3000メートル以上で2つめのレコードを記録。ステイヤーにとっての最大目標である、天皇賞・春に向けても期待は高まる。辻野調教師は「前走の反動もありましたし、今回もレコードで走ってますからね。まずは疲れのケアが一番です」と前置きしながらも「無事なら行きたいと思います」と決意を新たにした。
春の盾のレコードホルダーは、G1・7勝の
キタサンブラック。出走が実現すれば、初の栄冠とレコード更新という歴史に名を残す挑戦となる。トレーナーは「デビュー時から長距離で活躍するのは想像できなかった。この子の成長のたまものです」と感激もひとしお。底知れぬ成長を見せるステイヤーの新星が、大きな輝きを歴史に刻むかもしれない。(角田 晨)
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ミクソロジー 父
オルフェーヴル、母スターエンジェル(父アフリート)。栗東・辻野泰之厩舎所属の牡4歳。北海道日高町のタバタ
ファームの生産。通算10戦5勝。総獲得賞金は1億76万8000円。重賞初勝利。馬主は江馬由将氏。